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翼の証明Ⅲ ~種の方舟~  作者: ニンジン
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■プロローグ:方舟 ~ Flood myth ~

遥か昔-。ある魔術師が『まもなく地上世界を覆い尽くす大洪水が起きる』と予言した。その魔術師は強大な魔力で巨大な方舟を創ると、地上に暮らしていた生き物達を避難させるためにその方舟に乗せた。方舟の中には何十種類もの生き物でひしめきあっていたが、生き物達が長期間生きていけるように食糧もたっぷりと積んでいた。魔術師は全ての生き物が方舟に乗るのを見届けると、最後に自らも方舟に乗ろうとしたが、出発を目前に遅れてやってきた2本足の生き物の雄と雌が魔術師の前に現れた。しかし、方舟は既に生き物を乗せる余裕がなく満員であったため、地上世界の未来を憂う魔術師がその場に残り、遅れてきた生き物の雄と雌を乗せて方舟を出発させたという。

最後にやってきた生き物とは、後に『人間』と呼ばれる賢い生き物であった。

数日後、魔術師の予言どおり大洪水が大地を覆い、それまで生き物達が暮らしていた地上世界の全てが洗い流されてしまった。魔力に守られた方舟は洪水の危機を乗り越えると、新世界を求め大海へと旅立った。しかし、方舟は長い間止むことのない嵐に遭い、なかなか新たな大地には着かなかった。しだいに魔術師が用意した食糧も底をついてきた。

やがて-。方舟が新たな地上世界に着いたとき、地上に降り立ったのは2本足で歩く『人間だけ』だったという。

人間は食糧がなくなると、飢えをしのぐために周りの生き物を食べだしたのだ。

死後の世界でそのことを知った魔術師は、生き物達の悲しい運命に涙を流した。魔術師の涙は地上世界へ降り注ぐ雨となり、雨を受けた大地は養分を蓄え、やがて無数のドーリア(食糧)を地上世界に生み出していった。

この世に生まれてくる人間達は、方舟の中で糧となった生き物達の嘆きの運命を背負っているかように、ある者は酉に近い形を、またある者は丑に近い形をしていたという。人間はこの世に泣いて誕生する。その抱えている業の深さにであろうか。世界は変わらず時を刻む-。

<用語解説> ガイア:さまざまな種族が暮らす地上の世界。 ディア:ガイアを照らす宙の天体。光そのもの。 ルナ:ディアと対をなす宙の天体。ディアの光を反射し夜空に輝く。 ドーリア:ガイアに原生するこの時代の食糧。慢性的に枯渇している。 毒光ゾーク:過去に存在したといわれる目にみえない毒素。

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