第72話 いざ、戦闘開始
朝。いつもグレンに声を掛けられて起きる俺は、今日はグレンが目覚めるよりも早く目が覚めた。
晩餐会の料理の仕込みをするって自分に散々言い聞かせたのが効いたのだろう。清々しい目覚めだった。
制服に着替え、顔を洗って厨房に向かう。
厨房には、まだ誰もいなかった。
今のうちに、ラザニアの生地を作っておこう。
ボウルと材料を揃えて、先日作ったようにラザニアの生地を作っていく。
一度作ったことがあるから手馴れたものだ。以前作った時よりも手早く作ることができた。
作った生地は冷蔵庫で寝かせて、使ったボウルは洗って片付ける。
片付けが終わった頃、他の料理人たちもちらほらと厨房に姿を見せ始めた。
皆、俺が既に厨房にいることに驚いていた。
確かに俺はいつも厨房に来る時間が遅いけど、そんなに意外なものを見るような目で見なくてもいいんじゃないかって思う。
シーグレットもやって来て、いつものように朝礼を済ませたら、皆で朝飯作りにとりかかった。
作るのは煮物だ。ここ最近はずっと洋食系のメニューばかりだったし、たまには和食もいいだろうということで献立を選んでみた。
使う材料は牛肉、玉葱、茄子、ピーマン。
和食に合わせるなら米だろうということで米を炊いてもらって、いざ調理開始。
茄子を一口大の乱切りにして水にさらし、灰汁抜きをする。
玉葱は一センチ幅に、ピーマンは乱切りにする。
鍋に油をひいて、牛肉を炒める。肉の色が変わったら一度取り出して、茄子と玉葱を入れて軽く炒めていく。
熱が通ったらそこに先程取り出した牛肉とピーマンを加えて炒め合わせていく。
水、醤油、酒、みりん、砂糖、出汁の素を入れて、十五分くらい煮込んだら完成だ。
炊き上がった御飯と一緒に大食堂に運んだら、俺たちの食事タイムだ。
久々の煮物は、甘辛な味がして御飯がよく進んだ。
皆にもこれは美味いって好評だったな。流石は和食、ハズレがない。
そうして朝飯を済ませたら、片付けて晩餐会の食事作りにとりかかる。
晩餐会をやるのは夜だけど、夕方から作ってたんじゃ完成が間に合わないからな。
これから作るのはケーキだ。晩餐会に出すデザートとしては王道だが、この世界の連中にとっては目新しい料理だろう。
小麦粉。バター。牛乳。使う材料を調理台の上に集めていく。
「もう作るの? 晩餐会の料理」
「ああ。夕方は忙しいからな。今作って差し支えのないものは今作る」
湯を沸かしたら準備は万端。周囲で俺のことを見ている仲間に声を掛けて手伝いに入ってもらい、ケーキ作りを開始した。




