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第61話 味見をしよう

 一時間後──

 誰かが言い出したわけではないのだが、俺主催の料理教室に集まっていた面々が、再度厨房に集まっていた。

 理由はおそらく、出来上がったムースケーキを味見するためだろう。

 本当、食が絡むとアクティブになるな。魔族って。

 まあいいんだけどさ。

「夜のまかないで出すつもりだけど、先に味見しようぜ」

 俺はまっすぐ冷蔵庫に向かい、一時間前に入れたムースケーキを取り出して調理台の上に置いた。

 うん、しっかり固まってるな。これなら大丈夫そうだ。

 誰かの喉がごくりと鳴った。

 皆もお待ちかねのようだし、早速味見しよう。

 俺は包丁でムースケーキの端の部分を切り取っていった。

 よくケーキ屋とかで切り落としの部分だけをパックに詰めたやつが売ってるけど、あれって得だよなって思うのは俺だけだろうか。

 だって、見栄えがちょっと悪いだけで味は正規品と全然変わらないのに破格の値段で売ってるんだぞ。

 どうせ食べる時に形を崩すんだし、それなら最初から見栄えが悪くても一緒じゃないかって思うんだ。

 今俺がケーキの端っこを取ったのはそういう理由だな。味を見るだけならわざわざ綺麗な部分を出さなくても十分だ。

 皿を並べて、切り落としたムースケーキを適当な大きさに切って盛っていく。

「さ、どうぞ」

「いただきまーす」

 俺たちは同時にムースケーキを口に入れた。

「わ、さっぱりしてるのに甘い」

「美味ひいっ」

「不思議な食感だな、これ」

 うん、グレープフルーツがベースだから酸味もあるけど生クリームと砂糖が効いてるおかげでケーキらしい甘さに仕上がってるな。

 これなら魔王もフランシスカも満足するだろう。

 俺はムースケーキの綺麗な部分を切り分けて、別の皿に盛りつけた。

 ポットに紅茶を用意して、揃えてワゴンに載せる。

 残ったムースケーキは冷蔵庫に戻し、未だ食事中の皆に一声掛けた。

「それじゃ、俺はこれを魔王に届けてくるから。皿の片付けは宜しくな」

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