第24話 彩り野菜の煮物
二つ目の評価を頂きました。ありがとうございます!
醤油といえば和食。和食といえば煮物だろう。
幸い肉や野菜は大量にあるので、好きなように使わせてもらうことにする。
まずは材料の準備だ。
煮物といえば野菜がたっぷり入っているイメージがあるので、野菜中心に材料を集めていく。
ジャガイモ。人参。玉葱。インゲン。エリンギ。
そして肉。こちらは塊肉を薄切りにしたものを準備した。
では、調理開始だ。
ジャガイモ、人参、玉葱の皮を剥いて一口サイズに切り分ける。ジャガイモと人参は乱切りにして、玉葱とエリンギは薄切りだ。
インゲンは食べやすい長さに切って、さっと下茹でする。
鍋に油をしき、肉を炒める。色が変わってきたらジャガイモと人参を入れて、砂糖と酒を加える。
全体が馴染んできたら玉葱とインゲンとエリンギを追加して、醤油を加えて煮込んでいく。
ジャガイモと人参に完全に火が通ったら完成だ。
煮物のレシピは使う具材によって変わるから、色々と使う野菜を変えたりして好みのレシピを探すと楽しいぞ。
完成した煮物を器に盛り付けて、皆の目の前に差し出した。
「できたぞ。ソイソースといったらこれ、野菜の煮物だ」
「甘い匂いだな。本当にそのソースを使った料理なのか?」
皿を手に取って匂いを嗅いだシーグレットがそう感想を口にする。
フォークでジャガイモを刺して、口へと運び。
ゆっくりと咀嚼して飲み込んで、驚いたように皿を見つめた。
「何だこいつは、素朴で控え目な味わいなのについ手を出したくなる魅力がある。こんな料理は食べたことねぇ」
更に人参を頬張って美味いと呟いて、彼は醤油の瓶を見つめた。
「こんな塩辛いもんから、こんな絶品ができるなんてな……」
「ソイソースは俺の故郷じゃ必需品だったんだ。他にも生の魚に掛けたりスープの隠し味に使ったり、色々なことができるんだぞ」
どうやって作ったのかは知らないが、こいつを売りに来た行商人を褒めてやりたい。
日本人にとって、醤油は神の調味料だ。欠かすことができないものだからな。
「料理長ー。俺たちにも食べさせて下さいよ」
料理人たちから上がる不満の声に、シーグレットは皿を差し出した。
「これから朝飯としてお前たちがこれを作るんだからな、単純に食うんじゃなくてちゃんと味の勉強をするんだぞ!」
食って良し、の合図でわっと一斉に皿に群がる料理人たち。
今作った分はこいつらの味見でなくなるな。
美味い、と口々に発せられる彼らの声を聞きながら、俺は追加の煮物を作るべく足下の野菜箱に手を伸ばした。
「マオの料理は魔法みたいだね」
指で摘まんだジャガイモを頬張りながら、リベロが微笑む。
「僕もマオみたいに皆を感動させられるような料理を作れるようになりたいなぁ」
「精進すればいつかは作れるようになるさ」
人参の皮を剥きながら、俺は彼に言った。
「俺だって最初は料理なんてできなかったんだ。何だって最初は素人って言うだろ? 俺にできたことがお前にできないなんてことはないよ」
目標に向かってどれだけ努力を重ねたか。それに尽きると思うのだ。
それは人間だろうが魔族だろうが同じだって思う。
そっか、とリベロは自分の左手を目の前に翳して、見つめた。
「僕、頑張るよ。頑張って、一人前の料理人になって王様や皆に喜んでもらうんだ」
「その意気だ。頑張れ」
決意を述べる彼の背中を、俺はぽんと叩いたのだった。




