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カタクリズム:中編  作者: ウナ
クガネ外伝
57/72

第2話 黒鉄への道 其の二

【黒鉄への道】其の二







夕暮れ時、木々の作り出す影がより一層深くなる頃、

ウテルケが陣取る洞穴を囲むように、小鬼(ゴブリン)の群れが近寄っていた


奴らの狙いは繋がれている馬だ

小鬼(ゴブリン)が放つ酷い臭いに反応して馬が暴れ出し、その声に小鬼(ゴブリン)は集まる


それを分かっているウテルケは、1頭の手綱を切って解き放つ

すると、馬は勢いよく走り出す

だが、すぐに小鬼(ゴブリン)に遭遇し、前足を高く掲げて悲鳴を上げた


ヒヒィィィィ……ッ


その声が林に響き渡ると、ぷつりと音が途切れる

そして、何か重いものが倒れる音がし、

汚らしい下卑た笑い声が聞こえてくる


ここでウテルケは1つの事に気がついた


小鬼(ゴブリン)程度の体格では馬を即死させる事など出来はしない

だが、先程の馬の悲鳴はぷつりと途切れている

それは即ち、小鬼(ゴブリン)以上の何かがいるという事になる


小鬼(ゴブリン)と行動を共に出来る小鬼(ゴブリン)以上の存在……(ウルクハイ)


(ウルクハイ)は小鬼の突然変異体と言われており、

小鬼(ゴブリン)が1メートル前後なのに比べ、(ウルクハイ)は成人男性以上ある

滅多にいない珍しい魔物だが、その脅威は小鬼(ゴブリン)の比ではない


更に、(ウルクハイ)の中には2種類のパターンが存在し、

1つは筋肉が異常発達したパワータイプ、

もう1つは知性が異常発達した魔法タイプだ


先程の音だけで判断するには、今回のはおそらくパワータイプだろう

だが、まだ魔法タイプでないと断言は出来ない

仮に死の魔法であれば、音もなく馬を即死させるなど簡単だからだ


厄介な事になったな……チッ


ただでさえ50近い群れに囲まれて苛立っているというのに、

オマケに(ウルクハイ)だと? ウテルケは心の中で愚痴る

だが、そんな愚痴を漏らしたところで状況は改善されない

今は生き残る事を考えなくてはならないからだ


(ウルクハイ)がいると想定して考えろ……

パワータイプ、魔法タイプ、両方だ

どちらの可能性も考えろ……考えろ……


そこで彼はハッと気づく

(ウルクハイ)に焚き火など無意味だということを


どうする、出るか?

いや、今出たところで囲まれている、どちらにしろアウトだ

ここでなら少数ずつ相手が出来る、まだ勝機はある

それに、(ウルクハイ)ならばこの洞穴は小さすぎてまともに動けまい


ウテルケは覚悟を決め、手に持つダガーに力を込めた


挿絵(By みてみん)


少しすると小鬼(ゴブリン)の群れは洞穴を取り囲み、

繋がれていた残りの馬に石などを投げつけて笑っている

これは圧倒的優位に立った時に小鬼(ゴブリン)がやる行動の1つだ


ようは、狩りを楽しんでいるのだ


酷い悪臭と下卑た笑い声に胸糞悪くなるが、

焚き火があるため小鬼(ゴブリン)達は近寄ろうとはしていない


なぜ奴らが火を嫌うのかは謎とされているが、

一説には、火事によって死んだ悪党の魂が小鬼(ゴブリン)になると言われている

嘘か本当かは分からないが、小鬼(ゴブリン)が火を嫌うのは確かだ


数分ほど膠着状態が続くが、少しすると小鬼(ゴブリン)の群れが割れ、

その中央を、奴らにしては優雅に歩く1体の魔物がいた……(ウルクハイ)


マズい……奴は魔法タイプだ


一目で分かるパワータイプのような筋肉はなく、

スラッとした長身の小鬼……それが(ウルクハイ)だった


「ガフッ、ゲゲン、ガホル」


(ウルクハイ)が何やら呟き、辺りの小鬼(ゴブリン)達が動き出した

ウテルケは(ウルクハイ)の能力については分かってはいたが、

魔物が言語を持っている事実に驚愕した


彼が驚いていると、小鬼(ゴブリン)達が辺りの土を掘り返し、

それを運んでは焚き火に投げ込み始める


チッ……魔法タイプは知性が異常発達してるってのは本当のようだな


(ウルクハイ)小鬼(ゴブリン)と同じ黄色い肌だが、

奴だけは水浴びでもしているのか茶色く薄汚れてはいない

獣の毛皮を身に纏い、足には何かの葉で作られた靴まで履いている

その姿を見ただけでこの個体の知性が別格であると理解できた


ウテルケは洞穴の中でじっと構えていたが、

相手が魔法タイプの(ウルクハイ)と分かった時点で、

この場に留まる事が愚策であると理解し、

視界に入る範囲でだが、脱出経路を探していた


包囲網には少しばかりほつれがあり、

そこを突破すれば4匹の小鬼(ゴブリン)の相手だけで済みそうだ


チャンスと思った瞬間行動する


ウテルケは地面に刺した杭を駆け上がり、

洞穴を出ると同時に大きく跳躍し、

1匹目の小鬼(ゴブリン)にダガーを振り下ろす……予定だった


彼が洞穴を飛び出した瞬間、頭上から下卑た笑いが耳に届く

(ウルクハイ)小鬼(ゴブリン)を洞穴の上に待機させてたのだ

包囲網にほつれを意図的に作り、この罠を張っていたのだろう


チィッ!!


空中で身体をひねり、小鬼(ゴブリン)の手にある木の槍をかわす

しかし、そのせいで体勢は崩れ、着地に失敗してしまった

右肩を地面にぶつけるが、2回転して体勢を立て直し、

起き上がると同時に1匹の小鬼(ゴブリン)の腹を切り裂く


まず、ひとつ


呼吸を整え、脳に酸素を送り、今ある最適解を瞬時に導き出す

その答えにたどり着いた瞬間、ウテルケは笑みを浮かべていた


「……ったく、最悪だな」


右手のダガーを逆手に握り直し、左手は腰からクナイを1本取り出す

クナイの持ち手にある穴に指を通し、くるくると回転させ始め、

目標……(ウルクハイ)を見ること無く奴に投げた


遠心力も加わったクナイは回転しながら(ウルクハイ)へと迫り、

全く反応出来なかった奴の長い右耳を切断する


「ギェヘッ」


妙な叫び声を上げた瞬間、俺は走り出す

右手のダガーに力を込めて、低く、低く走り出す

左手はダガーの柄に当て、地面すれすれから一気に駆け上る


強烈な下段からの突き上げは(ウルクハイ)の腹へと吸い込まれ、

刀身が見えなくなるほど深く突き刺さり、

ウテルケはそのダガーを全力で振り抜く


『はぁぁぁぁッ!!』


雄叫びと共に振り抜かれたダガーは、(ウルクハイ)の臓物を撒き散らし、

確かな手応えをウテルケへと与える

悪臭漂う返り血を浴びながら、ウテルケはこの戦いに勝機を見た

次の瞬間、彼の両肩が掴まれ、目の前の(ウルクハイ)を見上げる


バカな、まだ動けるのかッ


驚きのあまり一瞬思考が停止し、見上げる事しか出来なかった彼は、

(ウルクハイ)の口が動くのを見てしまっていた


「ゲルン、ゲフ、ガルン、グゲゲゴゴ」


奴は赤黒い血を吐き出しながらも唱える……そう、これは詠唱だ

理解した瞬間背筋にゾッと冷たいものが走り、

ウテルケは力の限り抵抗し、裂かれた腹に蹴りを食らわして離れた


流石にそれは効いたようで、(ウルクハイ)の詠唱も止まるが、

奴は片膝をつきながらも再び口を動かす


「ゲゲン、ガルホ」


周囲を囲んでいた小鬼(ゴブリン)が一斉に動き出して石を投げる

それ自体の殺傷力は大した事ないが、数が数だ

50人の幼子から50の小石を投げられたと思ってくれればいい

ウテルケは片腕で頭だけは守り、ダガーで弾くことしか出来なかった


その隙に(ウルクハイ)は詠唱を終え、奴の魔法が発動した


見えない何かが動く音が響き、奴の魔法が風であると理解した

先の馬を1撃で殺したのは風の魔法だったというわけだ


奴がどの程度の魔法を使えるのかは分からないが、

人より優れた肉体を持つ魔物が魔法が使えるというだけで、

それは十二分に脅威なのである


小鬼(ゴブリン)が投げる石の1つが奴の魔法の範囲に入り、

石は瞬時に真っ二つに切断されるが、

その切断面は光沢すらあるほど綺麗なものだった


あれはマズいな……中級7章か、それ以上だな


石が細切れにされていないところを見るに、

風の刃の数自体は少ないため、おそらく中級クラスだ


あの傷でそれだけの魔法を発動させる精神力にも驚きだが、

小鬼(ゴブリン)の変異種なだけでこうも違うものかと驚かされる

人間ですら中級7章以上ともなるとかなりの才の持ち主か、

長い長い年月を魔法に費やしてきた者でないと使えない


特に風の魔法は目に見えないためイメージが難しく、

そのコントロールは更に難しいと聞く


奴がかなり危険な魔法使いである事は分かった

だが、この状況を打破できる策が見えてこない

こう石が大量に襲ってくると思考を巡らせるのも難しい


くそっ、奴の手の平の上ってわけか


打つ手なし、そう思える状況でも彼は諦めていなかった

ウテルケは腿に巻いているポーチからある袋を取り出すと、

その袋に火をつけて小鬼(ゴブリン)の群れに投げ込んだ


ポスッと静かな音を立てて落下した袋からは、

油が染み込んだ皮が燃える臭いが漂い、

近くの小鬼(ゴブリン)が興味津々に近寄る


刹那、袋は炸裂し、中から3ミリほどの無数の棘が飛び散った

一部の棘はウテルケも受けたが、この1撃はその対価以上の効果があった

大量の棘が刺さった小鬼(ゴブリン)はおおよそ20、

その全てがのたうち回り、驚いた小鬼(ゴブリン)達は動きを止め、

僅かな間ではあるが投石が止んだのだ


彼は、そのチャンスを逃す男ではない


投石により全身から痛みが走り、そこら中から血が流れているが、

そんな事に構っている余裕も時間もない

全力で(ウルクハイ)へと走り、クナイを1本投げつけ、

注意を逸らしたところにダガーの一撃を右胸部へと食らわす


だが、奴の風の魔法は発動したままだ


ダガーの一撃を食らわすと同時に、ウテルケの右腕に深い2本の傷が走る

あまりの激痛にダガーを離してしまい、致命傷は与えられなかった

再び腸に蹴りを入れて離脱する……が、彼にもう手は残されていなかった


投石が始まれば時間の問題だ、いずれ俺は死ぬだろう


明確な死のイメージが脳内を埋め尽くすが、

不思議と彼は恐怖に支配されてはいなかった

どこかスッキリしたような、不思議と満ち足りた表情を浮かべ、

左手にクナイを握ってから口角を上げる


致命傷は与えられなかったが、

腹への初撃は致命傷だ、奴も時間の問題というわけだ

(ウルクハイ)が倒れれば小鬼(ゴブリン)は逃げ出すだろう

後はどちらが先に死ぬかの我慢比べと言ったところか


奴はもう魔法は使えないだろう、それほどの傷だ

こっちは小鬼(ゴブリン)の投石程度なら小一時間は耐えられる


勝った……そう思った時に自体は急展開を迎える


突如、空から舞い降りた"それ"は、

小鬼(ゴブリン)を吸盤でもついていそうな足で拘束し、

長いくちばしで頭を摘み上げ、そのまま丸呑みにしたのだ


「グリフィン……いや、違う、あれは……フォルフィンか」


フォルフィンとはグリフィン類に分類される魔物であり、

顔や胴体はペンギンに似たそれであり、

前足はカエル、下半身は獣のそれである

全長3~6メートルほどある肉食の魔物だ


挿絵(By みてみん)


飛来した個体は4メートルほどある中型のフォルフィンであり、

1メートル程度しかない小鬼(ゴブリン)など餌でしかない


フォルフィンの登場により小鬼(ゴブリン)は一斉に逃げ出し、

残された動けぬ1体と1人を吟味するようにフォルフィンは見下ろす

何とも言えない重い空気が流れ、遠ざかる小鬼(ゴブリン)の声を羨ましく思う


ここで終わりか……


ウテルケはついに諦めた

今の状態でこの魔物をどうこう出来る気はしない

無論、逃げるなど不可能だ、相手は空を飛べる


村を出て数日だというのにこの有様だ、自分が情けなくなってくる

悔しさからか、後悔からか、彼の瞳が潤む


フォルフィンはゆっくりとした足取りで近寄り、

喉を鳴らしながら鳥独特の首を動きで両者を品定めする

その時、(ウルクハイ)が口を開いた


「ガフッ、ゲ……」


詠唱でもしようと思ったのだろうか?

その声に反応したフォルフィンは首をくるっとそちらへと向け、

グォッグォッグォッという独特な鳴き声を上げてから、奴を丸呑みにした


流石に大きすぎたのか、飲み込むのに手間取ったようだが、

先に小鬼(ゴブリン)も食していたため、

フォルフィンの腹ははち切れんばかりだ


分厚い翼を何度も羽ばたかせ、何とか浮き上がったフォルフィンは、

ウテルケを無視したまま飛び去る……助かったのだ


「…………はっ」


変な笑いが込み上げてくる

緊張の糸が切れ、全身からドッと汗が吹き出し、

胃の中のものが逆流してきた


「おぇっ……ぺっ」


口に残った胃酸を唾と共に吐き出し、

よろついた足取りで立ち上がった彼は、辺りを見渡す

もう近くに魔物の気配はない、おそらくフォルフィンが現れたせいだろう


近くに転がっていたダガーを拾い上げ、ふらつきながらも洞穴まで戻る

馬は1頭だけ残っていた、小鬼(ゴブリン)により傷だらけだが、

ラーズまでなら何とか持つだろう


「お前も俺と似たようなものだな」


傷だらけの馬を撫で、

その場に座り込んだ彼はそのまま意識を失う……


・・・・・


・・・



翌朝、朝日で目が覚めた彼は、寄り添うように眠る馬の体温を感じ、

早朝の肌寒さをこいつが凌いでくれたのだと思った


「悪いな」


たてがみをゆっくりと優しく撫でると、

馬は気持ちよさそうにブルッと一つ鳴いた


妙な愛着みたいなものが湧いてくるが、

この馬は使い捨てだ、ラーズまで持ったとしても売り払うだけ、

変に入れ込んではいけない、そう自分に言い聞かせ、旅の支度を始める


馬に跨るのですら全身が痛み、馬上の揺れが傷に響く

だが、自分で歩くよりかは幾分マシなため、我慢して先を急いだ


右腕はボロ布でぐるぐる巻きにしておいたが、

早く治療しないと酷いことになるだろう

そのためにも街へ急がなくてはいけない


出鼻を挫かれる形となった俺の旅だが、

今生きている、その事実は勝利とも言える

あれだけの魔物を相手に一人で生き残ったのだ、それは誇らしい事だろう


彼は痛みを我慢するため、自分を褒めながら旅を続けた


2日後、目的の首都ラーズが見え、ホッと一息するが、

入り口の門で身分証を求められ、足止めを食らっていた


そうか、前に来た時はあいつらが偽造の身分証を提示していたのか


うっかりしていた

痛みにより頭が回らないとは言え、こんな些細なミスを犯すとは


門兵はウテルケの傷だらけな格好といい、

所持している荷が身なりと合わない事を疑い、

彼を拘束するよう部下に命じようとしていた


「旦那、待ってくんな」


背後からマントに身を包んだ者が声を上げる

声からして女か? 女はフードを取り、顔を晒す


長い黒髪は綺麗に揃えられ、手入れが行き届いている

紫がかった瞳は澄んでおり、女の色気を感じさせた

年齢は20代半ばってところだろうか?

地黒の健康的な美女といった印象だ


「なんだ、メリィか」


メリィと呼ばれた女は笑みを浮かべながら門兵へと近寄り、

懐と股間辺りに手を伸ばして足を絡ませる


「そいつは連れなんだ、通してくんないかな」


チャリという音が懐から鳴り、門兵の頬がだらしなく緩む


「しょ、しょうがねぇなぁ……お前、問題起こすなよ」


メリィに向けた顔とは全く違った厳しい顔を俺へと向け、

俺はメリィと共に通される


門を抜け、しばらく進んだところでメリィが振り向き、

俺は右腕を押さえながら大きなため息をもらす


「いくらだ」


「は?」


「だから、お前にいくら払えばいい」


「あたしを買いたいの?」


キョトンとした顔で言う彼女は本気のようだ


「誰がお前を買いたいと言った、さっきの礼だ」


「あぁ、あれね、別にいいよ」


俺はメリィと呼ばれた女を警戒しつつ、

銀貨の入った袋へと手を伸ばす……すると


「だから要らないっつってんだろ? あんたも同業者だろ?」


そう言って彼女はマントの片側をめくり、

腰に忍ばせていたダガーを見せる

それは盗賊が好んで使う俺と同じタイプのものだ


だが、この女の見た目からして盗賊とは到底思えなかった


それを察してか、彼女が俺を路地裏へと引っ張り、再びフードを取る

長い黒髪を振ってから、耳の後ろ辺りに手を伸ばすと、

カチッという音がし、彼女の綺麗な黒髪がずるりと動いた


「変装か」


「まぁね、女一人だと色々あんだよ」


スモーキーグリーンの短髪、それが彼女の本来の髪だった

女とは思えないほど短く切られたそれは、変装用のものなのだろう


マントの下の彼女はチューブトップを着ており、肩は丸出しだ

その肩には深い傷痕が残っている……よく見れば背中にも、だ


挿絵(By みてみん)


「なるほど、同業というのは本当のようだな」


俺は警戒のレベルを1つ下げると、

メリィは俺の表情を透き通るような紫色の瞳で覗き込んで言う


「それより、あんた、教会行ったほうがいいんじゃないの?」


額からは脂汗が流れ、正直立っている事すらしんどかった

彼女の提案に乗り、教会までの道を案内してもらう

教会はお布施という名の料金を払う事で治療をしてもらえる

優秀な生の魔法使いを幾人も抱えているのだ


払った金額が少なかったのか、治療はすぐに終わり、

完治とまではいかなかったが、動かすのには問題はない


俺が握力を確かめていると、

暇そうに待っていたメリィが声をかけてくる


「あんた、名前は」


「ウテルケだ」


「あたしはメリィ……メリィ・キャラガーってんだ」


そう言い終えてから、再び俺を見つめてくる

無言の圧力を感じ取った俺は仕方なくフルネームを教えた


「タラニス……? まさか、あのタラニス夫婦の?」


「あぁ、そのタラニス夫婦の、だ」


放火魔として有名な両親の名はこの女も知っているようだった


「こいつはすごい有名人の息子と出会えたもんだね、ははっ!」


女としたら少し下品な笑い方だが、メリィの笑い方は嫌いではなかった

裏がない、そう思えたからだ




これが、大盗賊団「爆殺」の始まりとなる出会いだった




体調不良が続き、更新が遅れていてごめんなさい。

日常生活がまともに送れるようになったらちゃんと再開するつもりです。



オマケ



挿絵(By みてみん)

シルト&サラのお料理



挿絵(By みてみん)

シャルル



挿絵(By みてみん)

バレンタイン・リリムさん

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― 新着の感想 ―
[良い点] おあ!? 更新されてやがる。 話が違うじゃねえかッ! おほ。 なんか外伝らしい外伝。 クガネ、この時点で何歳くらいなんですかね。 すでにダンディーですが、まさかキャラ崩壊はすまい。 外…
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