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File.17


〔はい、とうちゃ~く!ここが、幽霊部部室だよ♪〕


 幽霊王子の言葉で足を止めると、重厚そうな扉の前…『視聴覚室』の文字。


 どうやらここが幽霊部の部室のようだ。


 あまりにも怪しげな気配で、できれば入りたくない…。


「………(開けたくない)」


 しかし、このまま部室の扉を眺めている訳にもいかず、俺は勇気を出しそっと扉を開け覗いてみると、中には…。




 薄暗い部屋の中には数十本の蝋燭…床は絨毯だが…妖しげな赤。


 窓側のソファーで寝ている人がいたが、これは、間違いなく幽霊王子だろう。


 そして部室中央には、小柄な可愛い子が2人…なぜか、巫女さんの格好で何やら作業している。


 ここは男子校…当たり前だが、この可愛い子は男なのだろう。




 しっかし、何やっているんだ?


 疑問に思いつつも、その様子を観察してみると…。


「ほら、サキちゃん、この文字見てちょーだい!うっとりするくらいのこの曲線美~」


 可愛い顔の生徒が部室内中央に正座し、小さい紙に書かれている妖しげな文字を眺めうっとり悦に入っている姿。


「それは、あとでいいから。あとどのくらい墨必要なの、ワタシもう疲れちゃったよ~」


 そして、同じ顔の生徒が隣で、シャコシャコシャコシャコと墨什を作っている姿…。


 うん、これはアブナイ部とか書道部の間違いだろ…。


 俺は何も見てない、何も聞いてない。


 俺はそっと扉を閉めた。




「八緒、サックっと帰ろうか!俺、寮に届いている荷物の整理をしたいし!」


「…幽、なんとなく避けたい気持ちはわかるけど、ここは勇気を持って入ったほうがいい」


「それじゃ、八緒が先に入ってみろよ!」


 八緒は一瞬俺の台詞に躊躇したものの、俺と同じようにそっと扉を開け隙間から覗いてみる。


 その際、八緒は部屋にいた少年達に気付かれたらしく、「「きゃ~、八緒様よ~」」と、声が上がる。


 しかし、それを聞いた瞬間、八緒はすごい勢いで扉を閉めた。


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