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File.16


 午後の授業をそれなり平穏無事に過ごした放課後…。


 八緒とともに幽霊部部室に向っているのだが…。


 ユラユラっと、俺の側を浮いているモノがいる。


 俺はそのモノがウザくて、八緒を置いて行きそうな勢いで足早に廊下を歩く。




「幽、俺の前を黙々っと歩いているけど、幽霊部の場所はわかっているのか?」


 八緒は不思議そうに俺のうしろを歩いているが、俺はイライラしていて、それでところではない!


「幽霊王子が案内している。何でさっき本体(身体)に戻したばっかりなのに、ここにいるんだ!?」


「………いるんだ、ローズ先輩」


 八緒は慣れたもので、見えなくても俺の側に幽霊王子がいると確信している。


〔宇佐原弟も入部してくれるんだ。これで部費増加!やっぱり、式部君を誘って正解だったね!!〕


 妙に手を叩いてウキウキ浮いて喜んでいる幽霊王子。


 なんでそんなに嬉しいんだ?




「なぁ、八緒、幽霊王子が、お前が幽霊部に入部すると部費アップって、喜んでいるけど、なんで?」


「ああ、それは各部活には部費として、生徒会から支給されるが、それは本当に最低限な金額だなんだ。ここの学園のシステムとして、足りない部費は部活でお金を稼ぐことになる。しかし、特例として、生徒会役員がいる部活には、あらかじめ部費増加となっているんだ」


「ふーん。で、部活でどうやって金を稼ぐんだ?」


「パソコン部とかは株をやってかなり稼いでいたな。何年か前には大損してすごいことになったらしいが…。文化部はそれなりに独自の部活の特色で稼いでいる。運動部は、試合で勝ったりすると理事会から金一封の賞金が配布され、それで稼いでいる」


 なんつー学校だ。


 金持ち学校だから、それなりに優雅な部活内容だと思いきや、なかなかシビアなようだ。




〔うちでは『護符』なんてのを売りさばいて、部費を稼いでいるよ!〕


「へぇ~、『護符』なんて良く書けますね」


〔君のお祖父さんの置き土産…と、いうか、残していったノートの中に護符の書き方があったんだ〕


 じーちゃん、なんでそんな置き土産なんか残していくんだ。素人に何をさせるつもりだ!


「幽?護符って部費のことか?」


 幽霊王子の言葉が聞こえない八緒だが、大体の事情は察してくれている。


「うん、なんか幽霊王子が、護符の書き方をじーちゃんの残して行ったノートから教わって、言ってる…」


「幽霊部はいまだなぞの部活だ。生徒会で一度、廃部案が持ち上がったことがあったんだけど、部室のモノがいきなり動いたとか、しゃべったとかで、廃部案が撤回したことがある」


 そうだろうねー、幽霊王子から、さっき少し聞いただけでも怪しげなモノ続出だったからね。


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