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File.14


「はぁー、なんで幽はよりにもよって、キーファー・S・ローズに係るんだ…」


 何が?俺は意味がわからず、隣にいる合川に説明を求めと。


「2年S組、キーファー・S・ローズ。イギリス貴族出身。母親が日本人とイギリス人のダブルで父親はイギリス貴族。ローズから薔薇王子と呼ばれ、生徒の人気投票では常に1位を獲得している」


 ほぉー、スゲーお貴族様だ!しっかし、『薔薇王子』とは…ちょっち笑える。


「幽、それだけじゃないぞ。人気投票で上位の者は本来、生徒会入りしなければならない。でも、ローズ先輩は、睡眠障害のためその枠を外れている。が、一応、補佐となっていて、その力を使うことができるんだ」


 ここでの力関係は、1番『理事長』、2番『生徒会』、3番『先生』。


 …何やら、ヤバイ人物に俺は係ってしまったらしい…。




「ちなみに、会長は兄貴、副会長は喜多川先輩、書記が俺。あとは、体育と文化委員長掛け持ちしている二階堂。で、一応、補佐となっているローズ先輩が本来は会計なるはずだったんだ」


 八緒の説明はありがたかったが、最後にこいつ等だけは近づくなっと補足して言われても、もう八緒やナナ兄、幽霊王子(ローズ先輩)に近づいただけでアウトなんでは?


 八緒、頼むからそういうことは、転校する前に教えてくれ!!




 そんなこんなで、そのあと八緒からはグチグチ説教され、合川からは相槌されつつなぐさめられ、魔の昼食会が終わった。


 各教室に戻る途中、八緒は何か切羽詰った表情で、俺よりほんの少し高い身長から宣言する。


「幽、俺、決めた。俺も幽霊部に入部する!」


「はぁ?八緒、何言っているんだ。お前、生徒会書記の他に弓道部にも入っているんだろ?そんなに掛け持ちしていたら身がもたないぞ。それに俺も小学生じゃないんだから、1人で入部するよ」




 こんな金持ち学校の生徒会書記という立場だけでも忙しそうなのに、八緒は弓道部にも入っている。


 そんな、超多忙人間から出た突拍子もないことを、呆れつつ断るが、それを聞いていた合川から思いがけない言葉が飛び出す。


「別にいいんじゃないか?どうせ、部活とは名ばかりのユーレイ部員(部活動をしていない生徒)は、たくさんいるし、宇佐原も名だけ掛け持ちする気だろ?」


 ほぉー、なるほど、その手があったか。そんじゃ、俺も!!


「一言、言っておくけど、式部はローズ先輩、直々のお誘いだから、無理やりにでも活動人員決定だぞ」


 だよね…。儚い夢を見てしまったよ。


 俺は合川の言葉にがっくり項垂れてしまう。


 今なら軽くその辺の地縛霊とジメジメとした友情を築けそうだ。


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