都会の破片
眠らない街
星ひとつ瞬かない街
人工的な
ビルの電飾が
僕の身体を包みこむ
忙しい街
息苦しい街
偽りの笑顔と
数えきれないほどの
胸の痛み
そんな日々だから
ふと天使と鉢合わせたとき
この心ははじめて
弱さを認めざるを得なくなる
「愛してる……」
喉まで小さく出かかった言葉も
吐息と共に
どこかへ流れ去る
冷めゆく街
移ろいゆく街
たったひとつの
宝物さえ
時間が奪ってゆく
華やかな街
不機嫌な街
今日の心の破片は
きっと
過去の一部にしかならない
読んでくださり、ありがとうございました。