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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第5章 VRのその先へ
62/70

クリスマスSS

と言うわけで載せます

クリスマス。

それはリア充にとって至福の時であり、未だ想いを伝えずにいる乙女達にそのキッカケを与え後押しする、そんな甘いひと時。

それと同時に、独り身の人物にこれ以上ない虚しさとやるせなさを与える、そんな苦いひと時。


正と悪が存在するように、クリスマスにも相対する二つが存在する。それは甘酸っぱいカップルの甘い空気とーーー



『クリスマスイベント: サンタを倒せ‼︎ を開始します』

「「「「ウオオォォォォォォ‼︎」」」


ーーーその空気に耐えきれず、|VR世界にログイン(現実逃避)し、虚しい気持ちと共にイベントに参加する非リア充の叫びだ……………






「そしてお前もいると」

「暇だからな。そして何でお前がこっち(VR空間)来てるんだよ。サヤ達はどうした」


そしてそんな空気の中に2人、ナナシとタケはいた。

12月25日、つまりはクリスマス。このゲーム内でしか生きられないナナシはともかく、家族がいるだろうタケまでもがいるのはどういう事か。


「いや、ちょっと喧嘩しちゃってさ……お陰でやる事もなくなって。で暇だったから来た」


なんでも、デート(?)の約束を忘れてしまい、それでシズにすら怒られて居た堪れなくなり逃げて来たらしい。

そう語るタケの態度から本当に忘れてしまったらしく、とは言え忘れてしまった事自体は悪い為、励まそうにも励ませなくなるナナシ。


「それにしても意外といるな」

「ああ。ほぼ全員が妙に血走っている様に見えるのは怖いがな」


問題を先送りする様に話題を変えるタケだが、仕方がないと追求せず乗ることにしたナナシ。そして辺りを見渡せば、血気盛んとも取れる盛り上がりを見せるプレイヤー達の姿が。




『クリスマスイベント: サンタを倒せ‼︎』


12月25日の朝から開始予告がされていたこれは、クリスマスでモテない男達の怨念がサンタに乗り移ったと言う設定のイベントで、最後にこのサンタを倒すのが最終目的となっている。

そしてレイド戦となっているこの戦いに付いて、とある噂が流れていた。


「で、彼女持ちがいるとボスが強化されるって?」

「らしい。あくまで噂だからな」


そう、なんでもこのボスはモテない男達の怨念から、プレイヤー達の中に彼女持ちがいれば途轍もなく強化される、と言う噂。

何処から生まれたかも不明なこの噂は、あっという間に広がる。

結果、(自称)彼女がいないプレイヤー達が集まり、クリスマスの鬱憤を晴らそうと半ば血眼になってレイド戦を待っているのである。


「だからお前がいるのはいけないと思うんだが」

「なんでだよ。俺、彼女なんていないのはお前も知っているだろ」


だから、サヤと言う名の彼女(?)持ちであるタケに忠告するナナシ。それに心外とばかりに彼女なんていないというタケ。

故に、ナナシはある質問をする事にした。


「タケ、先週何した?」

「ん? サヤと買い物に。後はゲーセン」


それってデートなんじゃないか? と言いそうになるのを、なんとか堪えるナナシ。どうやら自覚がないらしい。そこまでやれて、なぜ未だに告白出来ていないのかと小一時間程問い詰めたい気分になったナナシだが、敢えて何も言わない。


そんなナナシを見て困惑するタケだったが……


一瞬、空気が変わる。

クリスマス仕様で体感温度が何時もより少なく、雪が降っている広場が、更に冷たくなる。


冷たい風が頬を触る。

魂に響く悪寒が走る。


シャンシャンシャン

シャンシャンシャン


何処からともなく、ベルが鳴る音が聞こえる。音の出所を探そうと耳を澄ませば。


「おい、あれを見ろ‼︎」


プレイヤーの誰かが頭上を指差す。

その声につられて一斉に上を向いた彼らが見たのは、


Aaahhhhhhhhhhhh!!!!!


巨大なソリが、空を飛んでいた。いや、正確にはこれまた巨大な、機械仕掛けの無数のトナカイに引っ張られていた。

そのソリに乗るのは、赤い服装に身を包み、顎に生える長いヒゲと身体を包む黒いオーラが特徴的な、巨大サンタだった。


その叫びと共に、空が黒く変色する。降る雪も黒く染まり、まるで世界の終わりに立ち会っているかのようだ。


途端、サンタがソリの端に手を掛ける。そして、


飛び降りた。


その巨体が、空から落下する。

一瞬で地面に激突。周りに衝撃波を起こす。


Boss: ダークサンタ

HP:19000/19000


そして、その姿の全貌を現した。

手には巨大な鉈を手に、巨体を揺らし起き上がる。


そして戦闘が始まろうとした……その瞬間だった。


『リア充シスベシィィィィィィィ‼︎』


突然のダークサンタの咆哮‼︎

なんだなんだと動きを止めるプレイヤー達を尻目に、ダークサンタは鉈を持たない左手を高く掲げ、もう一度叫びを上げる。


『リア充ハドコダァァァァァァァァ‼︎』


その瞬間、数あるプレイヤーの何人かの頭上に黒いマークが現れる。その色は、ダークサンタを包むオーラと同じ漆黒。


『リア充シスベシィィィィィィ‼︎』


その瞬間、レイド戦は呆気なく終了する事となる。なんと、怨みが入っただけのような叫びがそのまま衝撃波となり、全員を襲ったのだ。地を這い、襲い来る衝撃はプレイヤーを吹き飛ばし、そのHPを全壊させていく。

反撃する暇も、それを防御する暇すらも与えられず。

こうして、レイド戦はものの数秒で終了したのだった。




結果、ダークサンタはどう言う方法か、彼女持ちであるプレイヤーを感知した瞬間、即死級の攻撃を放つ事が判明。

そして始まった。始まってしまったのだ。

粛清と言う名のリア充狩りが……


「ひっ、許し 許してくれ‼︎」

「リア充死ねぇぇえぇぇっぇ‼︎」

「お前らのせいでレイド戦失敗したじゃねぇかぁぁぁ‼︎」

「この裏切り者があっぁぁあ‼︎」


マークを付けられたプレイヤー達は即座に把握され、その真嘘を確認されてはタコ殴りにあう。殴る彼らの顔は既に鬼の形相。

この日は、魔女狩りならぬリア充狩りが、プレイヤー達の虚しさを埋める様に行われたのだった。



そしてこの人物も……


「お前もかぁぁぁっぁぁ‼︎」

「何で俺も⁉︎ ナナシ、俺彼女居ないよな⁈」

「さらばタケ……お前の事は忘れない」

「お前、あの時の事根に持っているだろ⁈ そうだろ⁈」


どうやらタケも食らったらしい。ナナシに助けを乞うも、当のナナシは知らんぷりだ。どうやらバレンタインイベントで助けてくれた事を根に持っているらしい。「助けてくれぇ」と言いながらズルズルと引き摺られるタケ。そんな彼をナナシは売りさばかれる豚を見るような眼で見送る。


「やっぱクリスマスって残酷だな」


そんな事を呟くナナシなのだった。

どうも気まぐれです。

と言うわけであけましておめでとうございます。 (1週間遅れですが)

前回の後書きでも書いた様に、活動再開しようかと思います。

活動報告にも一つ載せるんで、そちらも呼んでください。

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