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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第5章 VRのその先へ
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白領土の場合

『イベント開始(スタート)


宙に浮かんだ、戦争スタートの合図。通常ならばプレイヤー達が新エリアを求めて駆け出す所。恐らく他の領土ではそれが行われているだろうという部分で此処、白領土は異様な景色が写っていた。


繋がりの塔、その入り口の前に立つ白亜の鎧を着た2人と、彼らから数m離れて四方をグルリと囲む他プレイヤー達。

少し離れた場所に映るウィンドウでは、他領土のプレイヤー達が既に繋がりの塔に入っているのが確認出来る。

完全に一歩遅れたと判るのだが、2人を囲む大勢のプレイヤー達は動かない。動けない。

何故なら、その2人は白領土の領主であり、皇帝を名乗るアルベルトと、彼を守る最強の剣、アレックスだからだ。

2人から放たれる存在感が、彼らが繋がりの塔に入る事を躊躇させるのである。

動けずにいる事1分。凍った様に固まった空気に、彼の言葉が突き刺さった。


「どうした。入らないのか?」


中心にいる、皇帝の一声。誰も動かない事への疑問だろうか、それともただの好奇心か。背後を見渡す様にそれを告げる。


「い、行くぞ‼︎」

「お、おう‼︎」

「新エリアを手に入れるぞー‼︎」


それに耐え切れなかったのか、集団の中からそんな声が出る。そして、徐々に広がる賛同の声。

アルベルトが言葉を放ってから10秒足らずで、一歩遅れてプレイヤー達は次々と繋がりの塔へ入って行く。


そして全員が入るのを確認して、アルベルトの隣に立つアレックスが声を出す。


「何か調子狂うね〜相棒」

「全くだ。俺に構わず行けば良いものを」

「それでも彼らの気持ちはわかるけどね。なんせ、自分で皇帝だー‼︎ って大々的に発表したんだから」


頭を掻きながらそう言うアレックスに、アルベルトは呆れ気味に返す。だがアルベルトの言う通り、大々的に皇帝として立ち、アルベルトが持つ神器『エクスカリバー』も使ってまで、見せ付ける様に発表したのだ。それを行なった本人が目の前にいたのだ。

どうしていいか分からず立ち尽くしてしまうのも仕方がない、と肩を竦める皇帝。


何時もの皇帝らしくないアルベルトにやや驚いた様な顔をしながら、アレックスは腰に掛けたエクスカリバーを引き抜きアルベルトを見る。


出撃していいか。


そのギラギラと輝く瞳は、疑い用もなくそう問いかけていた。


「まだ出るな」


手を横に伸ばし、一言と共に制止する。

明らかにむくれた表情になるアレックスであったがーー


「俺がやる」


その一言に、文字通り動きを止めた。そして一歩背後に下がる。

それを確認したアルベルトは腰の剣を引き抜き一泊。地面に突き刺し、それに手を支える様に添える。そして、自分の十八番であるスキルのトリガーを引いた。


黄金軍勢(アルマーダドラド)


音が聞こえる。

明らかに地下から聞こえるそれは、土を掘りすすめる音だ。そして、地面にヒビを入れてそれは出現した。


黄金の甲冑を身に纏い、これまた黄金の剣やメイスを手に、それは現れた。


ガシャン、と音を立てながら現れた騎士の数は15体。アルベルトの命令に従う、スキル『黄金軍勢』によって生み出された駒だ。


「いけ」


発した言葉はたったの一言。しかし、全てを分かっているかの様に騎士達は動き出す。

そしてそのまま、未だ開いたままの門を潜って繋がりの塔に入っていった。


「相変わらずデタラメなスキルだ」


騎士達を見送りながら、ため息と共にそう言うアレックス。そんな彼を見てアルベルトは肩を竦める。


「知るか。このスキルを俺に渡したこのシステムにそれを言え」

「それでもチート過ぎるでしょ。だってあれ、何体まで出せるんだっけ⁇」


アレックスの問いにアルベルトは考えるそぶりと共に5秒程の沈黙。そして握り拳を作って指を上げ、結果上がった指の数は5本。


「5体⁇ あれ、でも今さっき15体……」

「500体だ。強さは雑魚エネミー並みに下がるがな」

「………………………………」


桁が違った‼︎ アレックスの沈黙‼︎

軽くそんな事を言われれば、誰だってそうなるだろう。

聞けば、アルベルトのスキル『黄金軍勢』はその名の通り仲間を出すスキルだが、数と強さは反比例するらしく数が多ければ多いほど弱く、少なければ強くなるらしい。しかし、その点を踏まえても500体は脅威である事に変わりなく、顔をひきつらせるアレックス。


「hahahaha....おや、どうやら騎士達が攻略を開始したようだよ、相棒」


半ばアメリカンな笑いをするアレックスの耳に、戸惑いと歓喜が混ざった様な声が聞こえる。どうやら騎士達が接触したらしいと繋がりの塔に入ろうとすれば、アルベルトが制止した。


「最初の方は俺の騎士に任せろ。お前が出るまでもない」


アルベルトの言葉に止まり、目を向けるアレックス。そしてニカッと笑いを見せると、


「いいや限界だ。行くね」


どうやらさっさと先頭に参加したくてウズウズしていたらしい。子供っぽい笑みを見せながら、アレックスは繋がりの塔に入っていった。


残されたのは、『黄金軍勢』を発動させた事で動けなくなったアルベルトと、彼を除いて誰も居なくなった広場だけだった。


「………話し相手にくらいなってくれてもいいと言うのに」


アルベルトのそんな言葉が、無人の広場に虚しく響くのだった。



結果、白の領土はかなりのスピードで攻略を進める事になる。

そして100層を攻略したのは3時間後の事。


黒領土が繋がりの塔を攻略し、ある事件に巻き込まれる1時間後の事である。

どうも、気まぐれです。

そろそろ更新再開しようと思います。

とは言え、まだ実家の手伝いとか色々あるので今までの様に更新できるかは微妙な所ですが。



と言うか。良く良く見たら昨日が初投稿じゃないですかやだー。初めて投稿してから1年経っちゃったじゃないですか。


1年付き合ってください、ありがとうございました。活動報告に詳しく書くので、そちらもお読みください。


それでは、これからもよろしくお願いします。


次回更新は来週に。

あ、クリスマスSS載せますよ(今週少ないんで)

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