今、私(僕)がすべき事を
更新遅れました‼︎
スミマセン
ー1ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヤマトの参戦により戦場が一気に進む中、その反対側はお世辞にも著しいとは言え無い状況に陥っていた。
3人1組のグループを組んだ海賊が襲う中、サヤ、シズ、マキの女性3人組は完全に孤立していた。
「くっ、レン達とはぐれちゃったよ」
サヤが思わず零した言葉に、シズが少し離れた船首を見やる。
そこにはそれぞれの武器を手に善戦するレンとメカタの姿が。
メカタは船酔いよりグロッキー状態だが、遅れはとらなさそうだ。
故に、シズは自分の薙刀を握りなおす。
思い返せば、シズはまだこの世界で人を殺した事が無かった。
テンガン山脈での戦いに参加したサヤ達は既に敵を殺してはいるが、援軍として送られたシズは未だ対人戦闘を体験した事が無かったのだ。
ーそれに私は腑抜けているのかもしれ無いー
そう思う自分がいると、シズは自覚している。ナナシがヤマトの炎によって意識不明の重体になってから、自分は何もしてい無い。
両親に反抗する様にコネクトオンラインを始めたが、シズは未だ具体的な目標を決めていないのである。
このままではいけない、それはわかっている。
ナナシとはもう話を付けたのだ。
吹っ切れた筈なのだ。故にーー
ここで止まっている訳には行かない。
そう思った瞬間、シズは右足が動くのを感じた。無意識による物だったのか、右足を前に出した本人も驚きを隠せないでいる。
しかし動き出した時間は止まらない。
既に行動に移しているのだ。止まる訳にも行かず、シズは本能の赴くままに動く事にした。
右足を出し切った瞬間、スキル『俊足』を発動する。狙うは1グループを一網打尽に出来る場所……
三角形の要領で陣を組む彼らのその中心‼︎
スキル名を念じたその瞬間、念じる事で生まれた脳波を感知したシステムがシズの身体の現在位置と方向から、システムに決められた位置へと強制的に移動させる。
その際に発するのが光のエフェクトだ。
青白いライトエフェクトを残し、シズの姿がぶれる。そして……消えた。
「消えた……⁉︎」
サヤは目の前で起こった事に対し、己の目を疑った。
『俊足』は決して姿を消すスキルでは無い。あくまで一定の距離を一瞬で詰めるスキルであって、姿を消すなんて事はあり得ない筈だ。
そして一時が過ぎ、シズはいきなり姿を表す。
「『旋風』ぅ‼︎」
三角形の要領で陣を組む3人のその中心に、シズは忽然とその姿を表す。
その名前通り旋風の如き旋回を見せ、明るい深緑色の光を纏った薙刀を手に。
ここでシズのステータスを確認する事で、何が起こったのかを説明しよう。
Name: シズ
HP:6780/6780
Status:正常
武器アビリティ:クリティカル率+5%(薙刀)
スキル:刺突、旋風、暗殺斬、俊足、必中突
パッシブ: 不可視 敵に見られていなければ、姿を消す事が出来る
ここで注視すべきはパッシブスキルの『不可視』だ。
姿を消すスキルで、敵と認識した相手に見られていなければいけないという条件。
シズは『俊足』を使い一瞬でも姿を消す事で、『不可視』の使用条件を少々強引ながらも満たしたのである。
後は簡単。
『不可視』が発動している間に使用する付加スキル『暗殺斬』で強化しつつ、武器アビリティのクリティカルを併用しつつ範囲スキルで全員を攻撃するだけだ。
未だしたいと決めた事は無い。だからーー
(今、私がすべき事を‼︎)
戦いは収束へと向かう。
ー2ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「発射投入‼︎」
空中に浮いた数本のナイフが、まるで生きているかの様に動き出す。直線的だが鋭く、数本のナイフが自由自在に飛ぶ姿は異様の一言に尽きる。
既に放たれた内の数本は敵にあたり、順調にHPを減らしている。レン側はメカタと2人。敵はグループが3組。
2対9の戦力差だが、レンの浮遊ナイフを用いた多対一の戦法が勝負を譲らない。
未だレンのアイテムボックスには100本以上のナイフが収納されており、街に戻ればまだ補充出来る為、出し惜しみはしない。
レンが善戦する中、メカタはーー
「クッ…⁉︎」
自らは遠距離攻撃の手段を持たない為、ナイフを放つレンの邪魔にならない様に動く。
ハッキリ言って、メカタは焦っていた。
リベルタ平原でのダグラスとの戦いで経験した敗北が脳裏にちらつく。
今まで経験した事が無かった、圧倒的な暴力。あの時はタケに助けられたが、あのまま助けが来なかったらと思うと……
背筋に寒気が走った。
あの戦いはメカタに大きな影響を与えていたのである。
そして何人かが倒され、戦闘が終了しようとする頃、上から甲高い声が聞こえた。
「『シザーアンカー』ァァ‼︎」
空からロープに繋がれたフックがレン目掛けて飛ぶ。フックは黄色の光を纏っており、スキルによる攻撃だと判断出来る。
その際、周りの海賊達が発した言葉にレンは顔をしかめる事になる。
マストから繋がるロープに捕まり下に降りてくる1人の男。
海賊達がシャツにズボンといった服装の中、その男はオーバーコートを羽織り緋色の羽が付いた帽子という、一風かわって目立った格好だった。
その姿を見た海賊達はおぉ、と歓喜の声を上げ言うのだ。彼こそがーー
「我らが船長だぁ‼︎」
と。
なるほど、とメカタは思う。
ここまでの多人数、従えるには誰が指揮官なのか分かった方が良いのだ。
狙われやすいのはデメリットではあるが、船長という分かりやすい存在がいる事で、仲間の士気は簡単に上昇する。
彼らにとって船長は象徴なのだ
「……ッ⁈」
突如として現れた船長に、メカタは思わず唾を飲む。
ここでボスの登場。
脳裏にダグラスの姿がちらつく。
そしてメカタは……
「レン、あの船長は僕に任せてくれないかい?」
「……トラウマを消す為かい?」
「トラウマって言うのかまでは知らないけど……そうなのかもね」
「分かった、取り巻きは任せろ。
勝ってこい‼︎」
レンの背中を押す言葉と共にスキルのトリガーを引く。
「『急速区域』‼︎」
メカタを中心に、緑色のサークルが船首に展開される。これで準備は整い、メカタは迷わず一歩を踏み出す。
急速区域によって強化された脚力は、メカタを一瞬にして船首から離す。海賊達の視線を置き去りにした結果、彼らからはメカタが瞬間移動をした様に見えるだろう。
「コッチを見ろぉ‼︎ (『ヘイトハウル』)」
レンが叫ぶ。
と同時に、念じ型で敵の注意を惹き付け離さないスキル、『ヘイトハウル』を発動する。
これにより、海賊達は否が応でもメカタを無視し、レンから意識を反らせなくなった。
さて、舞台は整った。
後はメカタが行けるかどうか。
どうも、ストックも無く涙目で更新分を書く気まぐれです。
ここ最近はストックの重要性に改めて実感している所です。
それで今回の更新が遅れたと言うのは笑えない話ですが……
取り敢えず「今回もやりやがったな、あの作者」と言った感じで許してくれると幸いです。
次回更新は何時もの時間に。
果たして作者は時間どうりに更新出来るのか⁉︎




