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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第3章 戦争編
29/70

赤青同盟

どうも、今回は何時もより多めに書きました

「「「同盟を組むぅ⁈」」」

此処は赤の領土側、最終防衛ラインのキャンプ。周りが勝利の雄叫びで埋め尽くされる中、何人かの声が響いた。


「そうだ。俺たち赤の領土と彼ら青の領土で同盟を組み、3日目に備える。」

そう言うのはキャンプの奥に座り込むタケルである。隕石落下(メテオフォール)による大反撃の後、タケ達を含む何人かをキャンプに読んだのがつい数分前。

今は仲間に半信半疑の目を向けられる事に額の青筋を浮かばせながらも、同盟に付いて話していた。


「いいか? 俺たちはこうやってリベルタ平原を獲り、更にテンガン山脈の方も勝利寸前だ。両端を抑えたら今度は、どうすれば良いと思う?」

彼らは実際、領土の端にあるリベルタ平原とテンガン山脈の両方を既に抑えている。タケルが話しているのはこの後、離れた他領土の相手の事だ。実際、リベルタ平原ではかなりの数を減らした為、1番最初の壁である両端を抑えた今、彼らをこちら側に引き込もうと言っているのだ。


「つぅ訳で、同盟組みます。異論は認めん、あっても焼く」

「タケル、あんたキャラ変わっとらんか?」

何時もと違うタケルの物言いに、ヤマトはこりゃダメだ、と天を仰ぎつつも、同盟を組むための準備を進めるのだった。




場所は変わって、タケがヤスといた広場。赤の領土プレイヤーが勝利に喜びながらワイワイと騒いでいる為、今の広場は騒がしい。

そこから少し離れた崖に、ナナシとタケが座っていた。


「………」

「………」

座って数分、誰も喋る事なく時間が過ぎて行く中、沈黙に耐えられなくなったのか、タケが切り出した。


「で、どうやって直したんだ?」

「やっぱりそれが最初だよなぁ、喋ると長くなるんだよ」

「いいから話せって、幾らでも聞いてやるよ」

「そうか?なら……」

そうやってナナシは自分に起きた事を話し始める。


共馬がやってきた事

AIに進化した事

新しい力を手に入れた事

デメリットができた事

それら全てを、タケは黙って聞いて行く。

そしてひと段落着いた所で、タケは感想を話し始めた。


「つまり、これからはHPがある代わりに、そんなチートになったと」

どうやら、チートを手にした所で嫉妬したらしい。「俺の欲しいぃぃ‼︎」とか言ってるので間違いない。

因みに、ネーミングに付いてはまだ話していない。話したら最後、死ぬまで厨二ネームでいじられる事だろう。

絶対話すもんか、と決意しつつ、それに小さい笑いを零すと、ナナシはデメリットに着いて話していく。


「でもな、そんな何回も使える代物でも無いんだ、これが。

使う度に思考がAIに偏って行くんだよ」

「どういうこっちゃ?」

「つまり、使えば使う程、俺は人間(・・)じゃ無くなる」

ここでナナシが言う人間とは、彼の人間性の話だ。使えば使う程、論理的思考に頭を犯されるのだ。

そもそも、並列思考ですら通常では不可能なのだ。人間は二つの物事を同時に行えない、と言われるがこれは事実である。

二つ以上の物事を同時処理するなんて、普段では脳がそれに耐えられず、廃人になり兼ねない。

故に、ロボットアニメで使われる様なビ○トやファ○ネルは事実上、操作出来ないと言われているのだ。


閑話休題

そういう人間離れした機能を、ナナシは平然とやってのける。それは彼が人間でいう"脳"の部分を持たないからこそ出来る芸当だ。

しかし、使う回数を増やしていく度にその負荷はナナシの「人間」の部分を少しづつ侵食していく。

使いすぎれば最後、ナナシは感情持たぬ機械に成り下がるだろう。


「うへぇ。で、今はそういうのは無いのか?」

「あぁ、今のところは、な」

最初の2回 (5人襲撃と上級者1人)で感覚をつかんだ為、無闇に「論理的思考者(ロジックシンカー)完全演算(・フルオペレーション)戦闘(エンカウント)」は使わないと決めている。どうやら切り札という部分に落ち着きそうだ。


「で、シズやサヤ達は?」

「サヤはマキとテンガン山脈、シズも今日から援軍として向こうに居る」

「そっか、じゃあ再会はもう少し後、だな」

「だな」

「じゃぁ、今度はタケが話せよ。何があったか」

「長くなるぜ?」

「さぁ来い」

ふざけ合いながらも、再会を喜びながら2人は雑談に老けていくのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ナナシがタケと話している頃、タケルは数人の部下を引き連れある場所に向かっていた。行き先は勿論、青の領土側の指揮官のところである。

そして敵の陣地に着こうかと言う所で1人の男に遮られた。

その男は一際高価そうな装備を見に纏い、その雰囲気から唯の兵士では無い事を示している。


「指揮官か?」

タケルが発した言葉はそれだけだった。

指揮官であれば交渉に移り、そうでなければ切り捨てる。それ位の思いきりの良さに冷や汗をかきつつも、タケルの部下達は返事を待つ。もしもの事を考え、壁になる様にタケルと敵の間に立つ事も忘れない。


そんな彼らを前に、ようやく男は口を開いた。


「如何にも、俺が指揮官のディクヌだ。敗者になんの用だ?」

そう言いながら睨みつける。その目には疑いと嫌悪が詰まっていた。

この男こそがディクヌ。青の領土プレイヤーを率いてリベルタ平原で戦った男である。


そんなディクヌの睨みを物ともせず、タケルは交渉に移った。


「我々とお前達で同盟を組む。否定は受け入れん」

………………………訂正しよう、命令した。

交渉どころか、まるで当然だと言わんばかりに命じたのだ。

同盟を組め、と。


おそらくディクヌの顔はポカーンと空いた口が塞がらない状態だろう。それもそうだ。

通常、交渉の場ではお互いに有利な条件、言わば50:50(フィフティフィフティ)で挑む者だ。

それをタケルは、いくら戦いで勝ったとはいえ、否定も認めない「命令」というカードを切ったのだ。

例えるなら、某カードゲームで先攻から効果ダメージを使ってワンターンキルする様なものである。

しかし、そんなタケルを前にディクヌはーー


「いいだろう、宜しく頼む」

二つ返事で返した。

その言葉に、タケルの部下が心底驚いた様な顔をする。もう少し粘ると思ったので、まさか直ぐに了承するとは思わなかった様だ。


「ほう、何故こうもアッサリと?何かしら条件やらなんやらで粘ると思ったのだが」

タケルがディクヌに聞いた。その目には、好奇心と相手を見抜く様な意思が篭っている。


「いや、お前も見ているんだろう?この先を、現在(今)では無い、未来を」

ディクヌはそう言うと、踵を返して自軍に戻り、スーッと息を吸うと、恐ろしいほどの音量で声を上げた。


「これより我々、青の領土は、赤の領土と同盟を組む‼︎

今さっきまで戦っていた相手と同盟を組むなんて馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが、異論は認めん‼︎」

…………………………どうやらディクヌも、タケルと似た者同士だったらしい。似た様な命令に苦笑を交えながら、タケルは同盟の事を伝えに、来た道を戻るのだった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その日の夕方4時、キャンプの中には2人の男がいた。

1人は着物らしき装備を見に纏い、江戸時代に戻ったかの様なお下げの男。

もう1人は青の装備を見に纏い、立派な無精髭を揺らせる男。

言わずもがな、タケルとディクヌだ。

自軍に軽く伝え、休憩を兼ねて一回ログアウトした後、詳しい部分を調整しに集まったのである。1人取り残されたナナシが孤独に耐え切れず泣き、帰ってきたタケをボコ殴りにした挙句、ヤマトにも絡んだ事は言うまでも無い。

そして詳しい部分を決めた後、ある部分が2人に無言を貫かせていた。

無言を貫かしながらも、お互いに牽制する様に殺気を放つ2人。いったい何で揉めているのかと言うと……


ーーーーーーーーー同盟の名前だったりする。


部下が聞けば余りの馬鹿馬鹿しさに崩れ落ちそうな原因に、2人はまるで今までで最大の戦いをする様な面構えで睨み合っている。


因みに、2人がどんな名前をチョイスしたかと言うと…………

タケル「朱葵同盟、紫同盟、赤の領土と愉快な仲間達」

ディクヌ「レッドブルー同盟、ワインマリン同盟、青の領土とオマケ達」


…………………部下が聞いたら泣くかもしれない。主に「この領土大丈夫か」という意味で。

そのまんまじゃないか、とか厨二か、とか途中から同盟の意味忘れてね?とかそういうツッコミは置いといて。そんないろんな意味でカオスな状況に救世主が現れた。


「別に赤青同盟(せきしょうどうめい)で良いんじゃね?」

外から顔だけ出し、サラッと自分が考えたネームを言うのは、少し前からコッソリと聞きながら新しい名前を考えていたナナシだ。後ろを見ると、四つん這いで崩れたタケとヤマトがいる。震えている所から、どうやら数々の酷いネーミングに、遂に腹筋に限界が来たらしい。


「「それだ‼︎」」

そしてアッサリと決めてしまう2人。

これで良いのか、と近くにいた部下達は天を仰ぐのだった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドドドッ、 ドドド、ドドッ


そんな重い音が聞こえてきたのは、同盟の名前を決めるという馬鹿馬鹿しい話し合いが終わり、いざログアウトしようかとなった時だった。


音を聞いた全員が音の出所を見れば、遠くから馬に乗った赤いコートを着た男が見える。それだけならばよかったのだが、必死そうな顔と今にも消えてしまいそうなHP。何より、やって来たプレイヤーが誰なのかでキャンプ内がどよめいた。


「大変っす旦那ー‼︎ テンガン山脈にて敵増援‼︎ 援軍求むっスーーー‼︎」

それはボロボロになりながらも帰ってきたサルだった

どうも、気まぐれです。

多めに書いたと書きましたが、実際は3880位です。

他の皆様方が一話に1万以上書くとか……どういうこっちゃ。

コツとか聞いてみたいものです。

次回更新も3日以内に出来たらなと思います

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