別れと再会
どうも、気まぐれです。
今回は少なめです。すいません
空が暗転した。
真っ黒な雲が空を覆い、辺りが暗くなる。
何人かが驚きを隠せない中、タケの脳内にある単語が浮かぶ。
「隕石落下……」
「まさか…な…」
つい口に出してしまったのか、ヤマトにも聞こえたらしく、ヤマトが返す。しかし、その声は掠れたような声だった。
信じたくなかった、考えたくなかった。
だが、突如現れたそれがその考えを肯定する。
「嘘…だろ…」
誰の呟きだろう、しかし誰もがその言葉に賛同した。
空から巨大な隕石が落ちてくるのだから。
いくらゲームとはいえ、否現実的な光景を前に、誰もが声を失っていた。誰もが動かず空を凝視する中、1人だけ動く者がいた。
「はぁ、はぁ、ヤス…さんっ」
言わずもがな、タケだ。スキルを使いつつ、息切れ仕掛けながらもヤスがいるだろう最終防衛ラインへと急ぐ。ヤマトと放って動いてしまったが、今はそれどころじゃなかった。そして走ること2分。キャンプに着いたタケが見たのは……
「来ちゃったんだ。あチャァ、気付かれない様にしたんだけど、魔法の事は話さなければ良かった」
ヤスだった。しかし、その身体は0と1の数字にまみれて顔も見えない。アカウントの権限を剥奪された影響か、端から少しづつ消えている。
それは死亡のエフェクトでは無く、システムから存在を否定される様な、それこそウイルスバスターに廃除される直前のウイルスの様な…
「まぁ、ゲームとはいえ勿体無い感じもするんだよね。だからさ、タケ君。現実でも会おうよ。君とは良い付き合いが出来そうだ。」
「本当ですね。俺もそう思います。」
「僕は大学生だけど、君は?」
「俺はまだ高校生ですよ」
「そっか…なら何時でも会える」
「そうですね…」
隕石が落ちてくるという異様な光景の中、2人は平然と言葉を酌み交わす。もう何を言おうと、ヤスが消える事に変わりは無い。故に、タケはヤスと話す事にした。その間もヤスの身体は消えていき、話が終わる頃には既に頭のみが残っていた。
端から見れば生首に話しかけるというシュールな光景の中、ヤスは最後の言葉を出す。
「まぁ、死んだわけじゃないし。後でサブアカ使って色々教えるよ。それまでしばしのお別れ……」
その瞬間、この世界からアカウント「ヤス」を含めた10人のアカウントが、まるで吸い込まれる様に世界から消えた。
そこに1人残ったタケの頬に、一粒の涙が分かれる。
最後のお別れじゃ無い。現実でも会えるのだ。それを約束もした。しかし、やはり目の前で消えた事に何かを感じたのか、タケの目からポロポロと涙が溢れる。
「やったぞ!押し返せ!」
「勝てるぞ!」
「反撃開始だ‼︎」
誰も居なくなった最終防衛ラインに、味方の鼓舞する声が響く。どうやら目論見通り、隕石が敵の数を大幅に減らしたらしい。味方が反撃で騒がしくなる中、タケは1人、黙祷する様に声を出さず、人知れず涙するのだった。
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場所は変わって、リベルタ平原の端、赤の領土側に平原を走る影が一つ。
言わずもがな、ナナシだ。
隕石落下を確認し、タケ達の無事を確認する為に急いで向かっているのである。
走る事数分、人外のスピードで着いたナナシが見たのは、ある意味殺伐とした光景だった。
隕石によって死んだのが早かったのか、既に死者の身体は消えていた。残ったのはスキルで即死を免れたものの、余りのダメージに立つ事もままならない状態だ。
そんな中、赤の領土側のプレイヤー達は止めを刺さず、彼らを拘束していた。
彼らが困惑に首を掲げる中、赤の領土側はスキルやアイテムで拘束していく。その光景を眺める中、ナナシは後ろから声を掛けられた。
「ナナシ…なのか?」
ナナシが後ろを向くと、そこにはタケがいた。その声はまるで、信じられないものを見た様な声だ。幽霊を目撃したら、こうなるのかも知れない。だから、ナナシは取り敢えず答える事にした。
「よっ、地獄の淵から這い上がってきたぜ」
………………もう少し何か言う事は無いものか?
AIになってもネタから離れ無いナナシで、何とも締まらない再会であった。
どうも、気まぐれです。
祝‼︎ 総合PV5000突破‼︎
いや〜、やっと5000ですか……
ここまでくるとなんか感慨深い者が来ますね…
ただでさえ、趣味半分で書いていたものですから。
こういうのが5000回もの数読まれたっていうのはやはり嬉しいものです。
これからも、「VRのその先に」をよろしくお願いします‼︎
次回更新は3日以内にしたいです。




