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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第3章 戦争編
28/70

別れと再会

どうも、気まぐれです。

今回は少なめです。すいません

空が暗転した。

真っ黒な雲が空を覆い、辺りが暗くなる。

何人かが驚きを隠せない中、タケの脳内にある単語が浮かぶ。


隕石落下(メテオフォール)……」

「まさか…な…」

つい口に出してしまったのか、ヤマトにも聞こえたらしく、ヤマトが返す。しかし、その声は掠れたような声だった。

信じたくなかった、考えたくなかった。

だが、突如現れたそれ(・・)がその考えを肯定する。


「嘘…だろ…」

誰の呟きだろう、しかし誰もがその言葉に賛同した。


空から巨大な隕石が落ちてくるのだから。


いくらゲームとはいえ、否現実的な光景を前に、誰もが声を失っていた。誰もが動かず空を凝視する中、1人だけ動く者がいた。


「はぁ、はぁ、ヤス…さんっ」

言わずもがな、タケだ。スキルを使いつつ、息切れ仕掛けながらもヤスがいるだろう最終防衛ラインへと急ぐ。ヤマトと放って動いてしまったが、今はそれどころじゃなかった。そして走ること2分。キャンプに着いたタケが見たのは……


「来ちゃったんだ。あチャァ、気付かれない様にしたんだけど、魔法の事は話さなければ良かった」

ヤスだった。しかし、その身体は0と1の数字にまみれて顔も見えない。アカウントの権限を剥奪された影響か、端から少しづつ消えている。

それは死亡のエフェクトでは無く、システムから存在を否定される様な、それこそウイルスバスターに廃除される直前のウイルスの様な…


「まぁ、ゲームとはいえ勿体無い感じもするんだよね。だからさ、タケ君。現実(むこう)でも会おうよ。君とは良い付き合いが出来そうだ。」

「本当ですね。俺もそう思います。」

「僕は大学生だけど、君は?」

「俺はまだ高校生ですよ」

「そっか…なら何時でも会える」

「そうですね…」

隕石が落ちてくるという異様な光景の中、2人は平然と言葉を酌み交わす。もう何を言おうと、ヤスが消える事に変わりは無い。故に、タケはヤスと話す事にした。その間もヤスの身体は消えていき、話が終わる頃には既に頭のみが残っていた。

端から見れば生首に話しかけるというシュールな光景の中、ヤスは最後の言葉を出す。


「まぁ、死んだわけじゃないし。後でサブアカ使って色々教えるよ。それまでしばしのお別れ……」

その瞬間、この世界からアカウント「ヤス」を含めた10人のアカウントが、まるで吸い込まれる様に世界から消えた。

そこに1人残ったタケの頬に、一粒の涙が分かれる。

最後のお別れじゃ無い。現実でも会えるのだ。それを約束もした。しかし、やはり目の前で消えた事に何かを感じたのか、タケの目からポロポロと涙が溢れる。


「やったぞ!押し返せ!」

「勝てるぞ!」

「反撃開始だ‼︎」

誰も居なくなった最終防衛ラインに、味方の鼓舞する声が響く。どうやら目論見通り、隕石が敵の数を大幅に減らしたらしい。味方が反撃で騒がしくなる中、タケは1人、黙祷する様に声を出さず、人知れず涙するのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所は変わって、リベルタ平原の端、赤の領土側に平原を走る影が一つ。


言わずもがな、ナナシだ。

隕石落下(メテオフォール)を確認し、タケ達の無事を確認する為に急いで向かっているのである。

走る事数分、人外のスピードで着いたナナシが見たのは、ある意味殺伐とした光景だった。


隕石によって死んだのが早かったのか、既に死者の身体は消えていた。残ったのはスキルで即死を免れたものの、余りのダメージに立つ事もままならない状態だ。

そんな中、赤の領土側のプレイヤー達は止めを刺さず、彼らを拘束していた。


彼らが困惑に首を掲げる中、赤の領土側はスキルやアイテムで拘束していく。その光景を眺める中、ナナシは後ろから声を掛けられた。


「ナナシ…なのか?」

ナナシが後ろを向くと、そこにはタケがいた。その声はまるで、信じられないものを見た様な声だ。幽霊を目撃したら、こうなるのかも知れない。だから、ナナシは取り敢えず答える事にした。


「よっ、地獄の淵から這い上がってきたぜ」


………………もう少し何か言う事は無いものか?

AIになってもネタから離れ無いナナシで、何とも締まらない再会であった。





どうも、気まぐれです。

祝‼︎ 総合PV5000突破‼︎

いや〜、やっと5000ですか……

ここまでくるとなんか感慨深い者が来ますね…

ただでさえ、趣味半分で書いていたものですから。

こういうのが5000回もの数読まれたっていうのはやはり嬉しいものです。

これからも、「VRのその先に」をよろしくお願いします‼︎


次回更新は3日以内にしたいです。

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