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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第3章 戦争編
25/70

「仕様」という名の「バグ」

どうも、遅れました。

いや〜、大学ってキツイ

バグをご存知だろうか?

ゲームで発見される、限られた行動から生まれる、不可解な挙動の事である。数あるゲームの中でも有名なのが壁抜けやアイテム増殖、果てにはフリーズやデータの破壊など、ちょっとした物から悪質な物まで、様々だ。

そしてこれらは、バグを見つける仕事のプレイヤーや運営によって見つけられ、修正パッチやアップデートを得て直される物である。


「で、運営の誰かによって意図的に隠されたバグがあるって知ってたか?」

そこまで話して、ナナシは今の状況の原因である足元の男に問う。5人のプレイヤーを返り討ちにした後、1人の男に襲われたのだが、この男が奇妙な技を使って来たのだ。

具体的に言うと、死亡寸前まで下がっていたHPを、スキルとアイテムを交互に使い、あり得ない程の回復を行ったからだ。

しかも、使ったアイテムはHPを800しか回復しない「グランポーション」であるから尚更だ。

それに興味を持ったナナシは、取り敢えずその男を刀を突き刺し地面に固定する事で抑え、その種を聞いた。

そして男がバグだと言った所で、ある種の確信を得たナナシはバグについての説明をし、今に至る訳である。


「あぁ、これは三つある、仕様と呼ばれるバグの一つだ。」

男は思いの外、アッサリと吐いた。

確信していたとはいえ、ナナシはホゥ、と声を漏らす。

潔いのか、諦めが早いのか。男はペラペラと話し出した。


「あれは俺達ーーコネクトオンラインが開始された時から遊んでいるプレイヤーの間で四重回復(クワトロ・ヒール)と読んでいる。これは回復スキルのスキルキャンセルを利用したヤツでな、俺の場合はスキル『グランヒール』と回復アイテムのグランポーションを利用している。

先ずは『グランヒール』を発動させ、スキルキャンセルでグランポーションを使用、再びグランヒールを使用し、最後にグランポーションを飲む。それだけだ。

あとはシステムが誤認識して、今までスキルキャンセルした分に補正とボーナスの回復が、俺のHPを大量に回復させる。

それだけだよ。だから、そろそろその刀を抜いてくれないか?」


背中に突き刺さる刀を見ながら、命乞いをするかの様にナナシに抜いてくれ、と頼む男。それを聞いたナナシは、まるで用無しとでも言う様にその刀を抜いた。

フゥ、と息を吐きつつ立つ男を、ナナシは何も言わず見つめる。そしてじゃあな、とだけ言うと、男は早足でそこから逃げた。

追いかけようとせず、ナナシは先程のバグの仕組みを理解する為に共馬から貰った知識から、それに当てはまる情報を引き抜く。

そこでナナシの頭に浮かんだのはスキルキャンセルの事だった。

基本、この世界でスキルはキャンセル出来る。文字通りキャンセルする為、その効果を失うが戦いにおいてその知識は必須であった。

スキルを使用している時に奇襲されれば、そのスキルをキャンセルし即座に反撃出来たりと、知ってて損は無いテクニックである。

因みに、彼らが使うキャンセルとタケのキャンセルは別物だ。タケのキャンセルがスキルを連結する為に無駄なモーションを排除するのに対し、彼ら上級者のキャンセルはそのスキルを中断し、即座にその環境に案じた別のスキルを使う事に使用している。

同じスキルキャンセルとはいえ、用途は全く別なのだ。そしてあのバグは、回復スキルをキャンセルしつつ、キャンセルした時と似た様な行動を行う事でシステムを誤認させた結果、最後に行われた回復に今迄キャンセルされた回復が上乗せされた結果だとナナシは認識する。


しかし何故その様なバグが未だ指摘されず、上級者に使われているのか。

その答えは、ナナシのデータを調べる事で直ぐにわかった。

どうやら、共馬が運営に報告される前に揉み消していたらしい。どういうつもりかは知らないが、それが仕様という名のバグの正体であった。

つまり、共馬の独断によって残った、有用なバグである。


因みに、ナナシが5人のプレイヤーに使った技も、三つあるバグの一つだ。

それは今さっき男が使ったバグの攻撃版である。

回転斬りのスキルである『円月』をキャンセルし、薙ぎ払いと共に交互に使う事で、最後の一薙でシステムが誤認、キャンセルされた攻撃力を全て一撃に乗せた結果が、飛天回風である。


そしてナナシは再び走り出す。

タケを探して、仲間を探して。

そして20分掛けてリベルタ平原につこうとしていた時、空が鳴いた。


ブォォォォッォォォ、と音を鳴らしながら何かが落ちてくる。


それは隕石だった。

まるで重力に惹きつけられる様に、それはリベルタ平原に落ちていく。大して大きくは無かったが、それの正体をナナシは知っていた。

三つのバグの内の、未だ語られなかった最後の「仕様」という名の「バグ」


魔法である


どうも、気まぐれです。

なんかナナシがチートっぽくなってしまいましたね。一応、デメリットは考えてはいるのですが、どうなる事やら…

そして遂に魔法です‼︎このゲームで魔法とはなんなのか、お楽しみに‼︎


次回更新は、同じく12時頃にしたいです

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