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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第3章 戦争編
23/70

タケの戦場、タケルの怒り

ー1ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戦場に虎……あ、間違えた、タケが舞い降りた。プレートメイルに身を包み、その大きな背中には買い換えたばかりのガ○ブレード……もとい、「リボルテック・バスターブレード」がぶら下がっている。その顔は、普段からは想像もできない様な険しい顔をしていた。

一向に進まないリベルタ平原の戦いに、援軍として参戦したタケ。テンガン山脈に向かったサヤ達の身を案じながらも、ヤマトと数人で、このリベルタ平原にやってきたのである。

一際高い崖に登った彼らが見たのは、たった1人のプレイヤーに蹂躙される自軍のプレイヤー達だった。槍を片手に戦場を駆ける様は正に獣。彼がその槍で着くたびに、その槍先が破裂し、無数の棘となって大軍を蹂躙する光景は圧巻の一言だった。

しかし、見惚れている場合では無いと直ぐさま彼らは展開する。未だ襲われていない集団の護衛と、槍使いを倒す役の二つに分かれる。タケとヤマトは倒す側にいた。崖を降り、最後に槍使いがいた所まで全力疾走。スタミナという概念が存在しない為、疲れることが無かったが、戦場に広がる微かな血の香りがタケを、ヤマトを焦らせる。これ以上仲間を殺させてたまるものか、という信念を胸に、彼らは駆ける。

そして走ること数分、遂に槍使いを見つけるタケとヤマト。彼らの目の前には、大軍を蹂躙した男をたった3人で相手にするメカタ達の姿が映った。


「やるなぁ、あの3人。タケ、奇襲するで。まだ先に行っちゃあかんよーーーーってなんでやねん⁈ 先行くなって言ったろ⁈」

ヤマトの言葉を最後まで聞かず、タケは駆ける。確かに、ヤマトの言い分は正しい。敵がメカタ達に釘付けなら、見られていない自分達は奇襲が出来る。しかし、タケからすれば知るか、と言うのが彼の心の声であった。

助けられるならば出来るだけ早く助ける。もしもの事で彼らが死ぬ事は耐えられなかったのだ。


「もし俺が出遅れて、あいつらが死んじまったら、後悔するじゃねぇか……‼︎」

呟く様に言うタケの言葉は、走っていた事で離れていた筈のヤマトに、しっかりと聞こえていた。


少し離れていた為、スキルの疲労を気にせず、タケはスキルによる高速移動を開始する。

一歩目を踏みしめる様に

二歩目を支える様に

三歩目で全速前進‼︎

『俊足』によってタケは一瞬にして移動する。しかし俊足はそもそも、短距離を一瞬にして駆け抜ける為のスキルであり、長距離せ使う物では無い。しかし彼は、タケは違う。スキルを連結させる事に特化した彼からすれば、その無意味なスキルも全て、その先に繋がる‼︎


「『ロケットスタート』!」

俊足が終わり、止まったタケの身体が再加速する。今度はドシュゥゥと音を出しながら、タケ身体は空を飛ぶ様に平原を駆ける。しかしまだ、まだ終わらない‼︎


両手を広げ、後ろへ持って行く。まるで鳥の翼の様に大きく手を広げたそのモーションを、システムはスキルと認定。そのモーションに該当する『鳥獣飛行(バードライズ)』を発動する。

タケを光が包む。その光は徐々に鳥、いや鷹を形作り、三度タケに加速を与える。その姿はまるで神話に出てくる鳥の様で……




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃、援軍が言ったことで誰も居なくなったナナシの病室。隅に置かれたベッドの上で眠るナナシに相変わらず変化は無い。そんな部屋の中央で、空間が歪んだ。いや、歪んだと言うより、曲がったと言う方が正しいだろうか。まるで穴が開いた様に、その穴に向かって空間が曲がっているのだ。その穴はどんどん大きくなっていき、人1人が通れるくらいの大きさで止まった。そこから現れたのは………


「見〜つけた」

そのメガネが、キランと光った。


ー2ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

話は少し遡り、タケ達が槍使いであるダグラスを討つために分かれた所まで。タケ達と別れた後、タケルも走っていた。

数日前にタケに教えてもらったスキル連結を使用し、タケルに出来るだけのスピードで戦場を駆ける。


「はぁぁ、『俊足』、『ロケットスタート』、『俊足』、『ロケットスタート』、『俊足』……………」

スキル『俊足』は声に出さずとも使えるスキルなのだが、これは連結しやすい様にタケルが口に出しているためである。例え言葉を連呼し、とんでもないスピードで跳ぶ変人に見えたとしても、決して口に出してはいけない。決して。


タケ直伝のスキル連結を駆使し、変人の如き動きでタケルは遂に戦場ど真ん中に着いた。まるでアリみたいに群がる人、人、人。下手をすると誰が味方で誰が敵かわからなくなる位だ。まぁ、敵はフランス人なので分かりにくい事は無いのだが……


それはともかく、此処は戦場。自分がそのど真ん中に居ると認識した瞬間、タケルの脳内は一瞬にしてクリアになる。自分の疑問や戸惑い、迷いや他それぞれの考えを頭から追い出す。今のタケルの脳内を例えるなら、何も置かれていない部屋と言えるだろう。それくらい、タケルは集中していた。

そして腰から剣を抜く。それは神話の武器。それは、実際にあったとされる武器。そして、このゲーム(世界)に置いて、この世に生を受けた、タケルの最高の相棒ーーー‼︎


「行くぞ、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)‼︎」

名を呼ばれた剣は、まるで持ち主に答える様に炎を吹く。周りは一瞬にして炎に包まれ、世界は赤く染まるーーー。


「『草薙』ィィ‼︎」

横に一薙。たった一つの動作であるが、それはシステムに認識され、神話に描かれる1幕を今、この場にて再現する‼︎


ブォォォォォ‼︎

そんな音を立てて、炎が目の前の集団を襲う。痛ぇ、などのうめき声が聞こえるが、今のタケルに聞こえるはずがなかった。


『炎装・火衣』を身に纏い、タケルは一つの火塊と化す。徐々にそれは姿を変え、遂に巨大な鬼と化した。


炎を纏う鬼ーーー、言うなれば、「炎鬼」とでも言うべきだろうか?タケルは1人、敵陣に突っ込む。


「ウォォォォォォォォ‼︎」

意図してか、自然と漏れ出たのか、タケルの口は大声を轟かせていた。それはまるで、こうやって戦っている事に怒っている様で、繋がるべきなのに、こうやって争っている事に嘆いている様で……


「ヒッ」

誰が言ったのだろうか。青の領土プレイヤーの集団の中から悲鳴が出る。そして悲鳴が出て数秒後、彼らは宙を舞う事になる。


それはたった一回。たった一回、剣を振っただけ。まるで怒りに身をまかせる様な、剣技もクソも無い様な一振り。しかしその一回は確実に、十数人のHPを一発でゼロにする。ゲージが空になった瞬間、光になって消えていくプレイヤー達。そこに残ったのは、炎によって発生した赤と、プレイヤー死んだ事によって発生した黄色の光の二つが混ざった、ある意味幻想的な光景の中に立つ、鬼を纏った和風の男だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オマケ

タケル「俊足、ロケットスタート、俊足、ロケットスタート……」

自軍の1人「おい見ろよ、隊長スゲェ変な動きしてるぞ」

ヤス「しっ、例え変人に見えても、言うんじゃ無い!」

タケル「………聞こえてるぞ」

全員「ひぃっ‼︎」

タケル「そうか、私は変人か……………………………ちっくしょーーーーーーー‼︎」

ヤス「タケル様ーーーー‼︎

キャラ崩れてますよーー⁈」

全員「あれキャラ作りだったの⁈」

タケル「クソォォォォォォォ‼︎」


それからタケルは怒り狂い、戦場で猛威を振るったとか。

そして、何時も炎を纏った鬼がその姿に重ねて見えたとか……



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どうも、気まぐれです。

いやー、もう少しでナナシの出番がありそうです。

後、近い内にまたキャラ紹介書きます

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