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VRのその先に  作者: 気まぐれ
第2章 嵐が来る前に
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"戦争"システム

それは空から聞こえて来た。まるで多人数を相手に話すかの様な、機械的な声。俺はNPCとしての本能で気付く。間違いない、この間出会った共馬とやらと同じ、管理者だ‼︎


「管理者って、GM(ゲームマスター)って事か?」

「何で俺たちに話しかけてんだ?」

「俺が知るかよ」


突然の管理者登場に場の他プレイヤー達も困惑の声を挙げる。でも実際、そう思える程管理者の登場は唐突だった。


そんな俺たちを尻目に、管理者の声が響く。


「さて、私が君達に話し掛けたのは他でも無い。近い内に実用される新システムに付いてだ。

その名も……"戦争"システム‼︎」


言い終わると同時に俺以外の全員の目の前にウィンドウが現れ、戦争システムの名が浮かび上がる。


…………………………………………は?


「さて、この新システムだが、その前にこのゲームの領土について説明しよう。

実はこのゲーム内では、プレイヤーは自分の領土を出る事が出来ない。領土と領土の境目にバリアが貼ってあるからね。」


そう、実は俺たちは通常、他の領土に行けないし、他の領土のプレイヤーとも話す事すら出来ない。唯一の方法が、繋がりの塔を使っての連絡しかないのだ。


実はこの事に付いては何人かのプレイヤーが運営に問いただそうとしたらしいのだが、


「これが仕様です」


の一点張りで、結局の所は分からなかったらしい。しかし、しかしだ。何故こんな仕様にしたのだろうか?コネクトで、「誰ともつながるRPG」がキャッチフレーズの筈なのに、こんな真逆とも言えるシステムなのだろうか?


俺が困惑している間にも、管理者の話は続く


「今日から3日後、このバリアを解除する」


辺りからおぉ‼︎と声が上がる。それもそうだ。なんせ今まで見れなかった部分も行ける様になったんだから。


少なくとも俺は安心していた。やっとこのゲームの本質が明らかになるって。


でも、次の言葉で俺を含めた全員が固まる


「そしてバリアが解除されるのは3日間。その3日間の間に、君達は他の領土に攻め込み、更に領土を広げられる」


ーーーーーーーーーーーーーーーは?


俺は管理者の意図が分からなかった。

分かっているのか?このゲームで、「繋がり」をテーマとしたこのゲームで、俺たちに他者の領土を攻撃し、略奪の限りを尽くせと?


「簡単に言えば、他の領土の村や町に攻め込み、勝てばその場所を自分の領土に組み込める。言わば『領土を奪い合うゲーム』だ。シンプルで良いだろう?」


何がシンプルだ‼︎このゲームの本質を忘れたのか⁈「繋がり」なんだぞ?なのに、憎しみあってどうするよ…………‼︎


「他の街を手に入れれば、そこにしか売っていないアイテムを手に入れるし、他プレイヤーを殺す事でその装備も奪える。どうしようが君達の自由だ。

では、3日後に"戦争"を始める事をーーーーー

此処に宣言する」


ウォォォォォォォオオオオオオ‼︎


管理者が言い終わり、消えると同時に上がる雄叫び。


俺は管理者の事が理解出来ず、立ち尽くす事しか出来なかった


この、ゲームを根底から否定した様な新システムは後に俺やシズ達、果ては世界の在り方さえも変える、大きな出来事に繋がる事となる。


これは後に語られる、「世界を変えた、矛盾するゲーム」の第1章、その始まりに過ぎなかった

どうも、気まぐれです。受験等で更新が遅れるかもしれませんが、出来るだけ更新する予定です。


後、活動報告にも書きましたが、総合PV1000越えしました。ありがとうございます‼︎


これから更に物語が深く進むので、これからもよろしくお願いします。


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