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力の証明  作者: Lion
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第一章 邂逅

プロローグ


「ここにいたのか…」

そう呟き、少女は荒れ果てた町の前で一瞬のうちに姿を消す。

第一章 邂逅


荒廃した地域、俗称『非加護地帯』に存在する町のとある店で17、8歳の少年と40を過ぎた男が机ごしに対峙していた。

「で、依頼内容は? ここに来たからにはなにか依頼があんだろ?」

「あぁ。今日、この店“spring-store”に来たのは他でもない。魔物(スマーグ)を倒してもらいたいんだ。」

「ぁあ?スマーグかよ。めんどくせぇな。」

「そうだ。今はこのあたりに残った兵士たちが足止めをしている状態だ。君ほどの“力”があれば倒せるだろ?」「まぁな。なんてったって俺は人間がもつ能力の中に潜む異能、通称“力”を自在に操れるってんだからな!」

「その“力”を使って是非ともスマーグを倒してもらいたいんだ」

「あぁ。依頼の内容はだいたいわかった。で、報酬は?」

「二頭いるからあわせて10万でどうだ」

「二頭でたった10万かよ。おっさん、けちってんじゃねぇよ。」

そういって少年は指を突き出した。

「せめて15万はもらうぜ」

「……仕方ない。了承しよう。」

「そうこなくっちゃ! そういやスマーグがでる場所を聞いてなかったな。どこだ?」

「非加護地帯第3地区の南西に位置するエリアだ。」「うげー。結構近いな。早めに片付けないとこっちまで来ちまう。別に他人なんてどうでもいいがこの店を潰されちゃ困るんでな。」

「あぁ。できるだけ迅速に向かってくれ。」

「ハル!ちょっとこの店を留守にするから店番は頼んだぞ!!」

すると離れて話を聞いていた16歳ほどの娘がめんどくさそうに立ち上がった。

「はいはい。いつものことでしょ。シュンは早くいってあげなさいよ。うちの宣伝文句は“貴方の悩み解決します。すぐに春を届けます!!”なんだから早くいかないと宣伝文句に偽りありってことになるわよ。」

シュンというのは少年の名前だ。

「それはまずい。今後の売り上げにも影響しかねない。」

そういってシュンは店を飛び出した。

「さて、わたしも加勢に行かなければ。」

「その必要はないわ。シュンは1人のほうが闘えるから行っても仕方ないわよ。」

「一応ですよ。一応。」


ところ変わって非加護区域第3地区南西エリア


「な…なんなんだ、あいつは…」

シュンが駆けつけた時にはもう戦闘は終了していた。

たった1人の少女が倒したというのだ。

少女はスマーグ達の死体の山を築き上げ、その上に君臨し、こちらを見据えていた。

「やあ、遅かったね。君が来るのを待っていたよ。」

「だれだ、お前は。」

「まぁ君が知らないのも無理はない。しかし僕は君のことを熟知している」

「どういう意味だ。答えろ!!」

「僕と君は平行世界(パラレルワールド)でなんども君とあっているんだ。僕の“力”は空間移動だ。過去や未来、そして次元までも超えることができる。」

「なんだその“力”は。聞いたことがないぞ。普通“力”は人体の聴力・視力・嗅覚・筋力などを特化しただけのはずだ。」

「僕は体に『仁』の称号をもつ珠を埋め込んでいるからね。」

「まさかそれは古より王族に代々受け継がれていると言われている賢者の石のことか!?」

「あぁそうだよ。よく知っていたね。さすがはシュンだ。」

「な…!?俺の名前まで…!!」

「当然じゃないか。僕は君の仲間だったんだから。」

「仲間…だと…?」「そうさ、君と僕は仲間。スマーグを統率する魔王を倒すべく一緒に戦ってたんだ。」

「お前はいったい何者だ。」

「ん、僕? 僕は千秋。現在の王の娘。つまりは王女と言ったところかな?」

「なんでわざわざ王女が魔王を倒しに行くんだ。そもそもお前が王女である千秋だっていう証拠はあんのかよ。」

「もちろんあるさ。ちょっと待っててくれよ。」

千秋はポケットから二つ折りになっているピンクの箱を取り出した。

「なんだこれは。」

千秋が取り出したそれは開くと光って文字が浮かび上がる仕様になっているらしい。

「ケータイだよ。そうか君は知らないんだったな。」

「へ〜、これが話しに聞く…」

「で、これを見てくれ。」

「これは王女が初めてスマーグを倒したって報道された時の写真だよ。生まれてすぐに仁の石が入れられたから小さいころから“力”には慣れていたんだ。」

「たしかに似ているな。」

「だからいってるじゃないか。僕は千秋だって。」

「ああ、こうなったらもう信じるさ。で、さっきの質問だけど…」

「なぜ僕が魔王を倒すのかってことかい? 」

いつの間にか兵士たちは帰ったようでまわりにひとはいない。

千秋はそれを確認すると、こう続けた。

「これは君だから話すけど他の人には秘密にしといてくれよ。石を体内にもつ者はスマーグの脳髄を体内に取り込むことで石の強化に繋がるんだ。」

「ほう。つまり石の強化をしながらスマーグの王を倒せば石はさらなる力を得るし、スマーグは統制を失って人を襲うのも複数で来なくなるだろうから撃退も楽になると、そういうことだな?」

「相変わらず君はすごいね。僕が少し言っただけでそこまで理解してくれるとは。そう、君の言う通りさ。現状スマーグが入ることのできない絶対不可侵領域、首都【八房】。そこに収容できる人数も限られてる。父はできるだけ多くの人を救いたいといっていた。そのくせ自分は安全なところにいるんだ。矛盾してると思わないかい?」

「仕方のないことだろ。こっちだって統率が取れないとなるとさっきみたいに兵がスマーグを食い止めることだってできないんだから。」

「そういうと思ったよ。そして僕は君に最大の問いをしよう。」

「なんだ。」

「この世界の君は僕といっしょに戦ってくれるかい?」

「戦ってやってもいいが、報酬を払ってもらおうか。」

「君は変わらないな。いくらだ?」

「いや、金なんかじゃねぇ。賢者の石『義』の珠をもらおうじゃねぇか!!」「商談成立だな。君には今日をもって仲間になってもらう」

「望むところだ!なんだってやってやらぁ!!」

厨二まんさいです(笑)


南総里見八犬伝をもとに書いたのが何ヵ所かあります

一作目は自分のことを語っただけだったので真面目にストーリーや設定を考えて書いたのは今回が初めてでした


ここまで読んでくださったみなさまありがとうございました

一週間以内に次話をうpしますのでちょっとの間待っててください


次からは前書きと後書きでキャラクター紹介をやっていこうと思いますので期待しないで待っててください(笑)


それでは


see you again!!




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