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モブが愛したツンデレ令嬢~異世界配信したら最強のリスナーがついて助かってる~  作者: 白神ブナ
第5章 俺はモブじゃねえ、スパダリだ

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第78話 お嬢様にハッキングされた家

 マリアンのマンションから帰ってくると、


「あら、食べないで帰ってきたの? てっきり、あっちで食べるもんだと思ってたから、あんたの分はないわよ?」


母さんからの情け容赦ない一言が、俺を待っていた。


「はぁ?……なら、いらない」


くるりと踵を返し自分の部屋へ向かおうとすると、


「マナブ待ちなさい! あんた、マリアンちゃんと仲直りしてきたんでしょうね?」


という母さんの声。


俺は、精神的な疲れと腹立たしさで返事をする気もなかった。

階段をわざと大きな音を立ててのぼって、俺はそのまま自分の部屋に戻った。


喧嘩をしても腹は減る。

俺はうるさい腹の虫と共にベッドに横になった。


母さんといい、アルケナさんといい、

女を敵に回すのは危険だということを、俺は高二にして悟った。

マリアン? そんなん言わなくてもわかるだろ?


ああ、時間を戻せたらどんなにいいだろう。


俺があのとき、教室の窓からマリアンのブルマ姿を見て、にやついていなかったら……

根本が自分でノートを運ぶって言ったのだから、俺が追いかけなければ……

そして、あの時とっさに倒れそうな根本を助けなければ……


結局、根本とは何もなかった。

それなのに、マリアンとの仲が壊れてしまいそうになっているのは、なんなんだ。

やっぱり、告白されて一瞬でも喜んでいた俺が悪いんじゃないか?

これって、天罰というのもの?





次の日の朝。

以前のように、マリアンが俺の家の玄関を開けて挨拶してきた。


「おはようございまーす。マリアンでーす」


「あらぁ! マリアンちゃん、久しぶりね。今朝はきっと来てくれるって思っていたのよ。ほら、ちゃんとお弁当を作って待っていたんだから」


「ゆうべはご馳走様でした。とても美味しかったです。アルケナもセバスワルドも、感激しながらいただきました」


「いいのよ。あんな手抜き料理でよければ、いつでも食べに来てね。ちょっと、マナブ―! マナブ―! マリアンちゃんが迎えに来たよー」


「マリ姉ちゃん、おはよー。僕ね、兄ちゃんのすっごい秘密を見ちゃったんだ」


「え? な、何のことかしら……」


「内緒だよ。マリ姉ちゃんにだけ教えるね。兄ちゃんさぁ、夜中にお腹空いて、カップラーメン食べてた」


弟が俺の秘密を暴露したのを聞いて、歯磨き途中だった水を吹き出した。


「ば、ばかやろー、余計なことを言うな!」


タオルで口元を拭きながら洗面台から顔を出したら、マリアンが笑顔で手を振って来た。

とりあえず、俺は気まずい。

俺は怒っているんだからな!

母さんは、マリアンが来ると予測して弁当を作っているし

弟はマリアンが来てはしゃいでいるし

とにかく、この家全体がマリアンにハックされている。


「おー、マリアンちゃん、久しぶりだね。そうだ、出張みやげがあるんだよ。渡したいから、帰りにまた家に寄ってくれないかな」


「お父様、ご無沙汰しております」


父さんまで!

マリアンに完全にハッキングされた家族は、俺には冷たい。


「じゃ、俺いってきます。弁当は?」


「はい、これ。マリアンちゃんと一緒に行くんのよ、マナブ」


「関係ねえだろ」


俺は、母さんから弁当をむしり取ると、玄関で靴を履きながらそのまま外へ飛び出した。


「あ、また! マナブ! マリアンちゃんと一緒に行けって言ったでしょ!」


「まあ、まあ、母さん。あいつはまだ思春期なんだから、そっとしといて……」


「あなた! だいたい、あなたがマナブに甘いからよ!」


「あ、あの……、お父さま、お母さま、わたくし、行ってきますわね」


俺はいつもの通り、電柱の後ろで親の喧嘩を聞きながら、マリアンが家を出るのを待っていた。

そして、気づかれないようにマリアンを背後で見守りながら登校した。




そして、昼休み時間。

いつものように、弁当を広げると花柄の弁当箱だった。


母さん、また間違え……

いや、今回は確信犯だな。

マリアンと俺の弁当をわざと間違えて渡し、それをきっかけに会話をさせて、俺たちを仲直りさせるという魂胆だ。


「はぁー、この調子だと俺、痩せていくかも……」


そういえば、昨夜のマリアンの話によると、放課後に俺を迎えに、うちのクラスに来たんだよな?

学校では関係性は明かさずに、お互い他人のフリをする約束なんだけど、おかしいな。

何か俺に話したいことがあるからって言ってたけど……。


急用だった……のか?


あれ? 前に堀田のやつ、生徒会がどうのって言ってたな。

もしかして、マリアン、俺に相談したかったとか?


……あるわけないか。


マリアンは、自分で進む道を決めるような、我が道を行くタイプだ。

いつも、だいたい決めてから結果を事後報告してくるからな。


じゃあ、なんだってうちのクラスに……?


そんなことを考えているうちに、あっという間に弁当を食べ終えて、片付けた。

しかし、その後も理由が気になって、俺は授業に集中が出来なかった。



い、いつもは真面目に授業受けているんだけどな! 

信じてくれ。


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