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モブが愛したツンデレ令嬢~異世界配信したら最強のリスナーがついて助かってる~  作者: 白神ブナ
第5章 俺はモブじゃねえ、スパダリだ

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第67話 修学旅行―行方不明

 「あ、すまん。電話だわ」


俺は三人を残して、店の外に出た。


「もしもし、大森か? 猿橋だが」


またか。

本当になんなんだ?

班長は有村なんだが、勘違いしているんだろうか?


「はい、何ですか? 特に問題もなく、計画通りに進んでますよ。それから、俺たちの班長は有村で、俺じゃないですよ?」


ハンバーガーなんて予定にはなかったが、言っても面倒だし黙っておくことにした。


「そ、そうか。それならいいんだが……」


さっきも気になったが、妙に歯切れの悪い言葉に引っかかる。


「さっきから何なんです? 猿橋先生、俺に何か言いたいことでもあるんですか?」


俺は、少し嫌な予感がしてきていた。


「べ、別に、言いたいことというか、なんと言うか……、あ、今、B組の狐崎先生に代わるから」


B組の担任?

俺の中で嫌な予感が膨れ上がって行く。


「もしもし、B組の狐崎だが。あのぅ、念のために、マリアンくんが行きそうなエリアとか、知らないないかなーと思って、電話したんだが……」


狐崎先生のはっきりしない態度に、イラっときた俺は単刀直入に聞いた。


「わざわざ、俺の電話に掛けてまで、それを聞くってことは……そういうことですよね? マリアンに何があったんですか? まさか……、いなくなったとか?」


違ってほしいと願いながら、俺は口に出して確認した。


「あ、そうなんだよ。知っていたのか。それならば話は早い」


その軽い一言と、抱いていた予感が的中したことに愕然とした。


「ちょ、待ってください。どういうことですか?」


狐崎先生は、そのまま説明を始めた。


「マリアンくんと同じ班の女生徒から、連絡があったんだ。絶叫フライング・コースター付近で、他校の男子生徒に絡まれて、マリアンが連れていかれました、と」


俺は言葉が出なかった。


「先生は、他校というのは見間違いで、もしかしたら大森と一緒にいるかもと思って、電話していたんだが……」


あの時の、あの電話はそういうことだったのか。


「連れていかれたなら、警察だと思いますけど?」


俺は感情的にならないように、なんとか抑えながら言った。


「先生なりに探してるんだが……」


先生なりに?

何度も俺に電話して確認することが、探している?


「先生なりにって……ずいぶん余裕ですね。先生たちだけで、この広いユニオンランドを探せると思っているんですか? 迷子放送とかは、お願いしましたか?」


怒りを必死に抑えながら、言葉を選んだ。


「竜崎先生が、事を大きくしたくないから、放送はダメだと」


あ・い・つ・かっ!……


「そうですか、わかりました。先生、マリアンは俺が見つけます。ですから……、

先生がたの言う集団行動のルールを、破る許可をください」


こんな奴らに任せておけない。

俺がマリアンを見付けないと!

怒りを通り越し、呆れてしまい、そんな気持ちが強くなる。


「じゃあ、竜崎先生に確認をとって……」


この期に及んで、まだ竜崎か!


「そんな余裕はありませんよ! 先生たちが許可する頃には、夜が明けます!」


焦りから、つい声が大きくなった。

いつまでも狐崎と話していても、ちっとも埒が明かない。


プツッ



 俺は電話を切り、即座にマリアンへ電話をかけた。


トゥルルル……トゥルルル……トゥルルル……


出ろ! 出ろよマリアン!!

何やってんだ!!


俺が苛立ちを隠せないでいると、ハンバーガーショップから有村と芹沢が出てきた。


「おーい、大森。ア堀田が、ハンバーガーショップから出ないって、そう言い出して動かないんだが……」


堀田はどうやら計画を実行するようだ。

なんて純粋なマリアン信者なんだ。

けれども、俺はそれどころじゃない。

堀田にとっての教祖様を、探しに行かなければならないんだ。


「あぁ、あいつは好きにさせてやってくれ。わりぃ、俺も集団行動から外れるわ」


そう言い、走り出した。


「は? お前まで何言ってんの!? 集団行動はいいのかよ」


有村と芹沢も何もわからないなりに、焦っているようだ。


「大丈夫。帰りの集合時間には間に合わせるから。じゃあな!」


俺は二人の呆気にとられた表情を遠目に見て、大きく手を振った。



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