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モブが愛したツンデレ令嬢~異世界配信したら最強のリスナーがついて助かってる~  作者: 白神ブナ
第3章 人気配信クエスト企画

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第36話 アイテム実験

 配信マネージャーとして、メッセージを最初に貼った。


 [今日の配信は、アイテムの実験をします。

リスナーの皆様と、ツンデレ令嬢のマリアンは、どんな意思疎通が出来たらアイテムを効果的に実物にできるのか。その実験です。

来るべき、ゴブリン討伐にむけてアイテムを最大限に活用しましょう。

たくさんの皆様の参加を希望します。

ただし、金銭的に無理はしないでくださいと、マリアンからのお願いです]



このメッセージは、途中から参加した人でも理解できるように、固定しておいた。



「では皆さま、今アイテム欄に何が表示されているか、教えてくださいますか?」


マリアンはスマホ画面にむかって、話しかける。


「今回の企画、【リスナーさんと一緒にモンスター討伐企画!】なのに、投げてもらえるアイテムが、食べ物や金タライだけではお話になりませんから」


ゴブリンに金タライはどうよって話だ。


「先日の一件を例に挙げると、お腹が空いたわたくしに必要な食べ物という分類で、ハンバーガースタンプが表示されましたね。それを押したリスナーさんが、月見バーガーを思い浮かべたから月見バーガーが送られてきた……

このことから、リスナーさんの考察によると、わたくしに今必要なものが、アイテム欄にスタンプで表示されるのではないかと。そして、現物化するのはそれを贈ったリスナーさんの想像力で、内容が変化するんじゃないか? ということでしたわね」


金タライはマリアンが希望した物ではないように思うが。

ロケット花火も然り。

希望していない。

あれはリスナーさんたちの独断で実行されたと思ったが。



“そうだねー”

“その後もハンバーグはチーズインとか、カレーはバターチキンとか”

“元の料理をアレンジした物になって送られてたしなぁ”

“可能性は全然あるよね! マリアンのお腹が空いてた時に話してた料理だったし!”



マリアンとリスナーは、少しずつ意見を出し合い、確認していた。


「確かアイテム自体は、配信が盛り上がってくると、投げられるのですよね?」



“まぁ、今までの感覚だと、入室者数、いいね、コメントが増えて、注目のランキングに載ったらかな”

“マリアンは普通にしていても、ランキング常連だからそこは大丈夫だとして”

“とりあえず、今のアイテムを見ると……ブランケット?  枕?  お昼寝マット?

……マリアン、もしかして眠い?w”



「正解ですわ! アイテム欄について、わたくしに今必要な物に変わることを考えていたら、眠れなくなって夕べ遅くまで起きていましたの!」


アリアンは口元に手を当て、ふわぁ~と欠伸をした。



“わざわざww”

“お肌に悪いよ?w”

“配信のことになると、ひたむきに頑張るよねぇww”



どうやらマリアンに眠気があることで、アイテムは、眠るために必要なものに変化したようだ。


「でもこれで、わたくしに今必要な物に変わるという考察は、間違っていないことがわかりましたわ!!」


マリアンは口元を隠しながらもう一度大きな欠伸をした。



“いくら口元隠してるからって、伯爵令嬢が、人前でそんなに欠伸してww”

“まぁ、マリアンだからw”

“伯爵令嬢ってことを、鼻にかけないからこそ俺たちのマリアンだろ?”

“それはそうww”



リスナーさんは、素のままののマリアンを受け入れてくれている。

伯爵令嬢という肩書付きのマリアン・オラエノではなく

普通の女の子であるマリアン・オラエノとして。


それがマリアンにとって、頑張ってみんなに恩返ししたい! という気持ちにさせているのだろう。

いい意味でも、悪い意味でも。



“ん? マリアンどうかしたの?”



「なんでもないですわ!」


俺が思うに、

リスナーさんの気持ちが伝わり、マリアンは少しウルッとしてしまったのだろう。

マリアンは一瞬だけハッとしたが、気持ちを切り替えて話をすすめた。


「それでは次ですわね。リスナーさんの想像力で、アイテムを贈った時に変化するのか。これは、アイテムを投げてもらうことになりますが……お金がかかるのでしょう? 皆さまよろしいのですか?」



“何言ってるの! マリアンにだから投げたいんだよ!”

“そうよ? マリアンだから協力するの”

“わたしは、マネージャーさんのために協力するんだけど”

“それも、あり、あり!”



なんと、俺のためにアイテム実験に参加してくれるリスナーもいるのか。

ありがたい話だ。

俺も、実験に参加してみるか。


「また、そんな優しい言葉をくださる……」



“んー……今表示されている中だと、枕が一番わかりやすいかな?”

“じゃあ、私は大きめの抱き枕を想像するね!”

“俺は低反発のやつを。弾力とかも違う方がわかりやすいだろうし”

“私は何かキャラ物のビーズ枕!”

“そんじゃ、想像できた人から順番に投げていこかー”

“あいよー”



リスナーさんの間で話がまとまり、枕のアイテムが投げられた。

抱きつきやすい長めの枕や、薄い枕、手触りのいい黄色いクマの枕が、マリアンの目の前にどんどん出現している。


「これは皆さまの想像通りの枕ですか?」


マリアンは枕をひとつひとつ画面に映し、リスナーの反応を伺う。



“そうそう!想像通り!!”

“まさかこんなに正確に、想像通り出てくるとはw”

“すごいな!”



どうやら実験は成功したようだ。

皆の考察は、間違っていなかったことが証明された。


「いろんな枕がありますわ。こんなにあったら迷ってしまいますわね……」



“マリアン、一番気に入った枕はどれ?”

“気に入った枕を送ったやつが、一番マリアンの気持ちや好みを理解しているってことか”

“ねぇ、ねぇ、一番気に入った枕はどれ”



マリアンは、たくさん現れた枕の中から、ひとつを選び出した。


「これかしら。真っ白で無地だけど、まわりにフリルがたくさん付いていて可愛い!」



“誰だ、マリアンの好みを理解して想像したやつは!”

“悔しいけど、俺じゃない”

“わたしも違うー”



すまん。俺だ。

俺は、そーーっと手を挙げた。


「プっ! 今、マネージャーが手を挙げてまーす」



“何? 爆ぜてしまえw”

“何気に参加しているやつ”

“それだけ、心配なんだろ。この企画が”



皆さま、すみません。


「ちょっと嬉しいです。ところで、状況を変えて、もう少し試したいのですが、お付き合いいただけますか?」



“もちろん!”

“マリアンのためなら朝までだって付き合うよ!”

“お前……この前寝落ちしてたやんww”

“……記憶にございません”

“wwwww”





その後も、いくつかの実験をした。

釣りの話になると釣りの道具が表示され、それを投げてもらうと、釣り竿は手元に。

釣り用のベストは着ている服と入れ替わるような形で、自動的に装備された。


「着せ替え人形になった気分ですわ」


マリアンが猫を撫でていると、猫の餌やブラシが表示された。

それを投げてもらうと、リスナーさんの想像通りに、ちうーる? という餌や、豚毛を使ったブラシが送られてくるという結果が出た。


これならクエストでもいけそうだ。


マリアンに必要な物が、リスナーさんから届く。

無事に考察は実証された。


「皆さま今日は、長い時間ご協力ありがとうございました。これで安心して、クエストに行けますわ」



“これくらいどうってことないよ!”

“まぁ俺が一番役に立ったな! ドヤッw”

“あら? 何を言ってるの? 一番は私よ?w”

“寝言は寝てから言ってくれ…諸君、おはよう”

“やめて!! 俺のために争わないで!!!”

“いや、お前のためではねぇよww”

“ひとり、寝起きの奴おったなぁww”



マリアンは、フフッとみんなのやり取りに笑顔になった。

マリアンの配信には、いつも笑顔が溢れて暖かな言葉が流れる。

いい友達を持ったな、マリアン。


あとは、初心者コースをワッパガーさんにお願いしておくか。





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