営業2課坂崎課長の怪しげな行動 おかわり5杯め
「なんか落ち込んでんなあ」
杉田が珍しく平日の夜、飲まないかと誘ってくれた。ここは杉田のマンション。俺たちはこうやってよく3人で宅飲みもする。
だが、今日は杉田と二人きり。若狭は商談があって、そのまま直帰するらしい。
9時には就寝だからな、あいつは。
用意するのは缶ビールとおつまみだけでいい。
宅飲みは気楽だ。
「落ち込んでる? そんなことない」
俺は、缶ビールを飲み干し、ガンッとテーブルに叩きつけた。
「まあヤキモチもほどほどにしないと、身を滅ぼすぞ」
杉田がなんか、おっ! と思うことを言った。あれ? メモ帳はどこだ?
「やっぱりヤキモチなんて、男として醜いものなんか?」
「まあ、男はどんと構えてなんぼだからな」
どんと……メモメモ。
杉田が柿ピを口の中に放り込み、バリバリバリバリ食っている。
「どんと構える、ね」
「ああ」
俺は頭を抱えた。
「俺はこんなにも小さい男だからな。小山田さんを包み込めるかどうか……自信がない」
「小山田さんは誰にも包み込まれないと思うぞ」
「え。なんでだよ」
「枠にとらわれないっていうか、我が道を行く! みたいなところがあるからな。だから、おまえは変にアレコレ考えずに、そのまま体当たりしていけばいいんだよ」
「……そうかな」
「きっと受け止めてくれる。or 受け流してくれるだろう。好きだという気持ちをどんどんぶつけていけよ」
「ぐいぐいいきたいんだけどなあ。引かれないだろうか」
杉田が缶ビールをあおり、バリバリバリバリと柿ピを駆逐する。
「引くわけがねえ。あの小山田さんだろ?」
「まあそうだな」
「次はいつ会うんだ?」
「それがその……今度の土曜日」
「土曜日? 何時から?」
「7時」
「いんじゃね?」
「うーん。朝の」
「(一瞬の沈黙)あ、朝? から?…………?なにやるの?」
「えっと……ファイブレグッズ限定発売日」
「あっそ……お疲れ様でーーーす」




