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92/202

*1

レンジくんに近寄っていく男の子と女の子。頭を撫でられご満悦だ。

くーーーー羨ましいですな。


一人の子がレンジくんの腕に飛びついて、それをレンジくんは軽々力こぶスタイルで持ち上げた。すごい筋肉だ。


「レンジくん、弟さんいるからなあ。面倒見がいいから、絶対良いパパになりそう……」


あまりに微笑ましい光景に、ぽろっと言葉が。すると、隣にいた坂崎課長が、「理想の彼氏だね」と、これまた呟いた。


そうだった。


「課長、課長最推しの可愛い担当のシイナくん、めっちゃラブリーですね」


「え!? いやだから違うって!! 俺が好きなのは……」


「あれ? くら替えですか? 推しは最後まで推し。これは、カリメローネさんの名言ですよ」


「カリメ……誰? ってか、レンジくん、やっぱりカッコいいね」


「はい!!」


斜め上にある課長の顔をちらと見る。課長の視線はファイブレをじーっと見据えている。


「小山田さんさ、やっぱレンジくんと付き合いたい?」


「えええーそんなのできるわけないじゃないですか。夢のまた夢ですよ」


「夢じゃなかったら? 芸能人とかそういうの無しでさ。もし一般人で付き合ってって言われたら付き合う?」


「地球に隕石が落ちてもそんなシチュエーションありませんから、想像できません」


「でもレンジくんだって、いつかは誰かと結婚するわけでしょ?」


「……え、っと」


言葉に詰まってしまった。

確かにそうなのだけど。


課長は、口をむいっと引き結びながら、私の方を見た。そして。


「小山田さん、ごめん。俺すげえ、意地悪なこと言ったな」


そう言って顔を真正面に戻してしまった。

声が震えていたような気がした。



無事に撮影も終わり、会社に戻った私たち。ファイブレと写真を撮り(動画はNGくそぅっ)、私は夢か真か、レンジくんの隣で写真を撮ってもらうことができた。


一生の宝物にします。ははーーあ!! すぐにもファイブレのほこらへ奉納します。(平伏)


サインもいただき、本当に夢のような一日。


ずっとふわふわしてたし、それでもレンジくんをこの目に焼き付けた。


ただ、気になることがあって。


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