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レンジくんに近寄っていく男の子と女の子。頭を撫でられご満悦だ。
くーーーー羨ましいですな。
一人の子がレンジくんの腕に飛びついて、それをレンジくんは軽々力こぶスタイルで持ち上げた。すごい筋肉だ。
「レンジくん、弟さんいるからなあ。面倒見がいいから、絶対良いパパになりそう……」
あまりに微笑ましい光景に、ぽろっと言葉が。すると、隣にいた坂崎課長が、「理想の彼氏だね」と、これまた呟いた。
そうだった。
「課長、課長最推しの可愛い担当のシイナくん、めっちゃラブリーですね」
「え!? いやだから違うって!! 俺が好きなのは……」
「あれ? くら替えですか? 推しは最後まで推し。これは、カリメローネさんの名言ですよ」
「カリメ……誰? ってか、レンジくん、やっぱりカッコいいね」
「はい!!」
斜め上にある課長の顔をちらと見る。課長の視線はファイブレをじーっと見据えている。
「小山田さんさ、やっぱレンジくんと付き合いたい?」
「えええーそんなのできるわけないじゃないですか。夢のまた夢ですよ」
「夢じゃなかったら? 芸能人とかそういうの無しでさ。もし一般人で付き合ってって言われたら付き合う?」
「地球に隕石が落ちてもそんなシチュエーションありませんから、想像できません」
「でもレンジくんだって、いつかは誰かと結婚するわけでしょ?」
「……え、っと」
言葉に詰まってしまった。
確かにそうなのだけど。
課長は、口をむいっと引き結びながら、私の方を見た。そして。
「小山田さん、ごめん。俺すげえ、意地悪なこと言ったな」
そう言って顔を真正面に戻してしまった。
声が震えていたような気がした。
*
無事に撮影も終わり、会社に戻った私たち。ファイブレと写真を撮り(動画はNGくそぅっ)、私は夢か真か、レンジくんの隣で写真を撮ってもらうことができた。
一生の宝物にします。ははーーあ!! すぐにもファイブレのほこらへ奉納します。(平伏)
サインもいただき、本当に夢のような一日。
ずっとふわふわしてたし、それでもレンジくんをこの目に焼き付けた。
ただ、気になることがあって。




