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「今までずっと……か?」
「そうなのかもしれないってだけで、断言はできないけど。それにファイブレのこと応援しているし、いちファンなのも本当だけど……」
「まあ惚れた女が夢中になっているんだからな。ヤキモチ焼くのも仕方がねえか」
「ヤキモチか……それってこんな胸が苦しいもんなのか?」
俺は胸を押さえた。確かに『愛の成就ムック』には嫉妬やヤキモチは恋のスパイスってあったけど。
「スパイスどころか……これ玉子焼き食べた時に卵の殻が入ってて、ガリってなったぐらい、辛いな」
「……坂崎。おまえ今までずっと彼女できなかった理由、なんとなくわかったわ」
「え?? 」
「おまえ、これで小山田さん逃したら最後だぞ」
杉田が低い声で脅してくる。
「ちゃんとフォローしておけよ」
そう言って、1課に帰っていった。
*
嘘でしょ。坂崎課長が垂れ流していった。今世紀最大の文春砲ならぬ坂崎砲。
私は耳を疑った。一瞬、何を言ってるのか、わからないくらい、呆けてしまった。
「か、課長のこと……ししし信じてたのに……」
もうすぐファイブレが降臨するというのに。このタイミングで?
(な、なんであんなこと言うの?)
課長はいつも通り、コーヒーを片手に、私のデスクの横に差し掛かる。そして。
「あーあ、ハイレグなんか着なければ良かったのに」
ってね。はあ? え? 課長、ハイレグ履いてんの?
どういうパンツよ?
私は急いでスマホを出し、メンズ ハイレグ パンツで検索し、そして悶絶した。(←ボタンを完全に掛け違えた二人の記念すべき瞬間)
*
13時。
今日ってマンデーだよね?
Mondayの日本時間13時で間違いないね?
目の前にいる。
なにが?
分かりきっていることだ。
レンジくん。
輝きを放っている。
レンジくんだけでない。




