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「お前に任せられるかよ!! でもまあ、こんな小山田さん、さすがに放っておけないから、俺が送ってく」
俺が送ってくよ〜♡♡だ〜いじょ〜ぶ、オオカミなんかにならないから〜♡と、これみよがしにニヤニヤ言う杉田をいなし、俺はタクシーを呼んで小山田さんを送っていくことにした。
こんなシチュエーション以前もあったねデジャヴだね、ということで、小山田さんのご自宅ももう知っている。
ブーーっと走る車内。小山田さんはまたコクリコクリと舟を漕ぎ出した。もちろん、肩コテンだ。俺がそう仕向けたから。
酒臭さが充満する中で時々、ふわっと小山田さんのシャンプー(?)の香りがして、俺は一気に落ち着きを無くしてしまった。
可愛いし面白い。話してて寒気もしないし、寒ぼろだって1ミリも出ない。少し変わってる、独特な性格も好きだ。
生中3杯めに突入する前までの、ファイブレ愛を語る時の、あの熱い瞳。
惹きつけられてしまっていた。
あんな目で見つめられたら俺、どうなるんだろう……なんて思ったりして。
そっと小山田さんの頭に、頬を近づける。もうそれだけで俺の中の、小山田さんに対する愛しさの容量が増していって、溢れて溺れそうになる。
(はぁあ、まじで可愛い……)
小さな頭。小山田さんのつむじが、こんなにも俺の側にある。(←可愛い変態)
キキキー
その時、タクシーが急ブレーキをかけた。
その反動で、小山田さんの身体がぐらっと前へ。俺も前のめりになったが、下半身で踏ん張って耐えた。そして、腕を回して小山田さんの身体を、背もたれに押さえる。小山田さんが、「むにゃ」と言った。
「だ、大丈夫だった?」
「むにゃ」
「起きちゃった……かな?」
「むにゃ」
セーーーフぅぅう。起きてなーい。
「悪いね、お客さん。急に猫のやろうが飛び出してくるもんだからよっ! くっそ猫のやろうめ、猫はおとなしく、てめえの家のコタツで丸くなっとけっての。んで、犬はてめえの家の庭で喜んで駆け回っとけっての」
犬?




