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72/202

*2

「て、杉田これってなんのひねりもない普通なお誘い文句だろ。こんなん誰にでも……ってか俺にでもできるけど」


「バーカ。おまえはそこで変なひねりを入れちまうからダメなんだよ。前にもあっただろ? 『俺と、ぶりっこと非ぶりっこの境界について、語り合いませんか?』 てな」


「ああアレな? 速攻で断られたやつ? だってアレはさ。気になってた女の子の、ちょいぶりっこが気になったもんだから、そこんとこ確かめたくてさ。正直すぎたか俺?」


正直すぎると言うか、空気ぶち壊しっていうか、思考回路が斜め上すぎるっていうか。謎すぎるんだよ。こいつ仕事はめちゃくちゃできるのに、恋愛に関してはまじでポンコツだな。


「非ぶりっこでも、ぶりっこ寄りのちょいぶりは、俺が最も嫌悪する非ぶりに属してるからな」


『ぶりっこの生態』坂崎悠 著

持ってこーい。


「おまえさあ、なんでそんなにぶりっこを憎んでるんだ?」


「なんか可愛いフリしてズバッとあれこれ本音言ってくるとことかほんと恐いし嫌い。恐怖でしかない。しかも作られた可愛いだろ? 策略というか謀略というか。人を騙しているね。あれだあれ。仮面かぶってる二重人格のようなもんだ」


容赦なし。しかしなるほど察し。


「おまえもずいぶん傷ついてきたんだなあ(しみじみ)。でもそんな中、◯◯田さんっていうオアシスを見つけたってわけだな?」


「ああ。俺が金魚だったら◯山◯さんは水草……そんなわけで、俺は小◯◯さんのことをもっともっと知りたいんだ」


ピロン♪


「あ!! 小山田さんからLINEの返信きた!」


嬉しそうな顔だ。ほう。なるほど坂崎はまじで恋しているらしい。どれどれ俺も横からスマホの画面を覗き見る。

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