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7/202

*1

領収書にはクリップが。何かが添付してある。

二枚あるのかと一枚目をめくったら、なんと!


目を疑う。

まぶたをパチパチとしばたいて、もう一度見る。しばらく何も言えないで手元を見つめていると……


と、そこで少し自慢げな田中さんの声が耳に入ってきた。声を抑えようとしているが、軽い興奮が邪魔をして、全然抑えきれてない。


「あたしぃぃ、今日ぉ坂崎課長とお茶しちゃったぁぁ〜」


私は顔を上げた。


「課長がぁ、帰りに喉乾いたなって言い出してぇ。コラボカフェっていうの? そこで、アイスコーヒー奢っていただきましたあ」


なるほどそれで、いつも以上にふわふわしてんのかいっ。


「えー!! いーないーなっっ♡」

「私も奢ってもらいた〜い」


女子社員の黄色い歓声が上がる。


私は再度手元にある、その存在を見つめた。

ってことは、これはそのコラボカフェの戦利品ということですね?


私は領収書に隠されていた、コースターをそっと引き出しへと入れた。

まあこれは、たまたま領収書に、はさまってしまってただけなので、後ほど坂崎課長に返却しなければならないけど、ね。

返却……しなきゃ……ダメかな。


いやでもまじか。

レンジくん。レンジくんのコラボコースター。

目が潰れるかと思った。尊すぎて。


もちろん、私自身コラボカフェに何度足を運び、何度アイスカフェラテを注文したことか。

お腹を緩めながらも、何杯もお代わりし、そして何回もチャレンジした結果。

全然手に入れられなかった。巡り合わせも引きもお腹の調子も悪い私。


(もうこうなったら最後の砦……)


最終的にはフリマで手に入れるという、金で解決(←社会人あるある)ってことまで考えてしまっていた私。


(坂崎課長にレンジくんのコースター、いただけないか相談してみようかな……)


Φブレインなんかさらさら興味なぞない課長ならきっとくれるに違いない。


引き出しの中に息づくレンジくんを想う。

この日だけは、自分のデスクがピカーと光り輝いて見えた。

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― 新着の感想 ―
レンジくーん!! 物欲センサー発動。 欲しい物に限って出ないのよね。 その苦労の果てに見る神々しいコースター いやもぉ そりゃあ 目がぁああ!!ってなるわ Φ と スマートブレイン で ファイブレ…
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