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やゔあいいぃぃ。
小山田さんと、手を繋いでる!
夕ごはんを食べる約束を取り付けて、ほくほくしていると、混雑が酷すぎて、俺はふらふらしながら歩いている小山田さんを放っておけなくなった。
腕を取る。なんて細い。営業1課の課長杉田に、二人歓迎会のときに、小山田さんが蟹とふぐをおなかいっぱい食ってた、あれは相当な胃袋だぜという逸話を聞いて以来、本当にそうなのだろうか? それは真実なのだろうか? と探偵風に疑問に思ってた。
だって見た目全然太ってない。スレンダーともまた違う。なんていうか、こぢんまり?(語彙力の低下)
「ほんとすごい人だね。大丈夫?」
そう言いながら、俺は掴んでいた手を下へと。って書くと、エロオヤジみたいだけど、決して決してそうじゃないから!
手を繋いでみたかったんだ。
心臓は早馬が丘を駆け上がっていくように、どんどんどんどんカカカカッと太鼓の達人ばりに高鳴っていくし、手には変な汗をかくし、なんなら俺、足震えてたからね。
これが恋ってやつか。そうであるなら、恋愛初心者には荷が重過ぎる。この後、この繋いだ手をどうしたらいいのか、わからなくなって混乱した。
(『愛の成就ムック』にはなんて書いてあったっけ?)
必死に思い出そうとする俺。けれど、小山田さんの手の温もりに、邪魔されて思い出せない。
小さな手。俺の手の中にすっぽり包み込まれていて。嫌ではないようだ。振り払われないから。小山田さんの手は小さくて、そして温かい。
ただ。これはセクハラ行為に値する。セクハラ警察が来たら、はいアウト。
はぐれないように手を繋ぐにしても、ちゃんと許可取りは必要なのだ。
「はぐれないように、このまま手を繋いでいていい?」
横を見ると、小さな頭がこくんと打つ。可愛い。
「……い、嫌じゃないかな……?」
恐る恐る聞くと、今度は頭を左右にふりふり。可愛いいし、良かった。これで公認だ。違反切符は切られないし、可愛い。




