営業2課坂崎課長の怪しげな行動 おかわり2杯め
「……は、ハズレた……」
俺は呆然として、スマホの画面を見つめながら立ち尽くしていた。
Φブレイン。あるオーディション番組から生まれた、5人のボーイズグループ。人気はうなぎのぼり。世間一般にもかなり認知されてきていて、「推しはファイブレ」と豪語する輩が増えてきてはいる。
だからまあ万に一の確率でハズレもあるかなあ〜〜くらいのノリでいたら、万に万の確率で、がっつりハズレてしまった。ライブのチケット。
「嘘だろおい。小山田さんと、ライブに行く約束してたのに……」
だが、小山田さんが当選すれば問題ない。
その時間、自宅で夕飯を食べ、またり〜とくつろいでいた俺は、すぐさまLINEした。
「小山田さん、チケット俺ハズレちゃったんだけど、小山田さんはどうだった?」
『当たりました!!』
よおぉぉおーーしぃ!!
日頃の行いが良い俺強ええぇぇ。(←強いのは小山田氏)
「ふう、良かったよ。それなら一緒に行けるね。まあ、杉田と若狭には悪いが、俺たち二人でいけ」
ピロン♪
『課長!!』
ん? なんだ? 小山田さんが珍しく、『!!』マークを使ってる。
ピロン♪
『チケットは1枚のみです』
え?
「え?」
『申し訳ございません。2枚ずつ申し込むお約束をしましたので、もちろん2枚申し込もうという意思はあったのですが、指が滑って1枚を選択してしまい、そのまま滑っていった指が、止まることなく購入ボタンを押してしまって……当選したはいいが、1枚ということですみません』
まじか。
ダブルでショック。頭をハンマーで殴られたような。いやハンマーだと死んじゃうな。じゃあキュウリで。(←ショックで正常な判断ができていない)
「そっか。それは残念。小山田さんと一緒にライブに行くの、楽しみにしてたんだけどな。でも1枚でも当たって良かったね。ライブ、楽しんできて」
ピロン♪
なんか変なスタンプ返ってきた。
『かたじけない』 か。




