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49/202

*3



「かんぱあぁぁい」


やばいやばい。俺の前に本物の小山田さんがいる。

小山田さんとの飲み会。これ以上粗相がないようにと、俺は『愛の成就ムック』を封印した。


居酒屋で禁煙席。小山田さんと向かい合う。その隣には杉田。俺の隣は若狭の席。


「小山田さん、いいね!」


は?? 杉田っっいきなりいったいなにがだよ!!

それより杉田、小山田さんにあんまり近付くなよ。

小山田さんが、梅サワーのジョッキを持っている。

似合うっ。てか可愛いな。


「小山田さん、ぐー!!」


「ありがとうございます」


え? なに? なんで通じてるの?


「はい。これ好きでしょ」


杉田が砂肝炒めを差し出す。すると小山田さんは、「大好物です」と、箸を取る。


えええ。杉田と小山田さん、なんでそんなにツーカーの仲なの? かかかかカップルみたいじゃん。


やっぱり先手を取られた歓迎会が、地味に効いているのかどうなのか。あの日、二人きりで飲み会したなんて、悔しすぎる。

俺の方が、小山田さんを、そしてファイブレのことを知っているはずなのに。


「仕事の話になっちゃうけど……小山田さんさ、営業のみんなのことよく見てるよね。みんなに合わせた動きしてて、ほんと感心してる。君は優秀だよ」


これはいかんと、俺は枝豆をつまみ生ビールを飲みながら、小山田さんを褒めた。ここで良い印象を植え付けないと、杉田に先を越された遅れを取り戻すことはできない。


「坂崎にそう言わせるなんて、小山田さん、なかなかやるんだねえ」


若狭は枝豆を頬張りながら、ハイボールだ。


「いえ、私なんか、道端に咲くぺんぺん草。しがない透明人間、ロバの耳ですよ」


表現独特すぎww


「小山田さん、お酒弱いんだから、それくらいにしておけよ」


杉田が、小山田さんの梅サワーを取り上げる。確かに、三杯目に突入している。


「ほーら、三杯が限界だっただろ? 目も座っちまってるし」


「杉田かちょ、返してくださいよ」

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