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41/202

*2



本音を言えば、小山田さんにはずっと2課にいて欲しい。


小山田さんの存在は俺にとって、俺がもし金魚だったならば小山田さんは俺に酸素を供給してくれている水草……以下略。


もちろん小山田さんの事務能力を買っているが、ただ俺が目を離した瞬間、他のヤツ(特に杉田)に心を奪われてしまってはと思うと、もうそこで嫉妬心や不安まみれになってしまう。


俺の『愛の成就ムック』には、嫉妬心や不安な心は恋のスパイスになると書かれているが、それを鵜呑みにして信じることはできない。


手を胸に当てて過去の自分と向き合えばわかる。だって俺はかなり色々とやらかしてしまっているから!


ちょっと待て。その前に小山田さんに確認すべきことがある。本人に彼氏がいるかどうか。これは小山田さんにアピールする点で、最重要ポイントだ。

だが、これを問えば昨今はセクハラに値してしまうから、返事・セクハラの両面の点から、いまだ恐くて確認できていない。


でもさ。そこ大事だよなあ。


本来なら彼氏が心配するべきこと、「職場に彼女を狙うような男がいるかどうか」


を、なんの関係も縁もゆかりもない俺が、心配するなんてことがそもそも、そもそもなのだ。


(でも逆に、小山田さんは俺がどれだけモテようとも、気にしないんだろうな……)


そういえば毎年のバレンタインでも、小山田さんからチョコ貰ったことないからなあ。

はあ。溜め息しか出ない。


「俺なんて範疇外だろうな」


呟いた言葉が自分で自分を苦しめた。



(いえいえ坂崎課長は範疇内です)


トントンと社長室のドアをノックした。


「社長、何かご用でしたでしょうか?」


「はいはいどうぞ。そこ掛けて」


促されたイスにそろりと座ると、私は握っていたハンカチを膝の上に置いた。


営業1課に異動してから、3ヶ月ほど経ったころだった。


この3ヶ月。めっちゃ退屈だった〜〜♪

周りがさ、真面目が服を着ているような人ばかりだから。


でもさ、自分で歓迎歓迎言うのもなんだけど、いい加減、歓迎会しようよ!


比べて営業2課の方はね、事務処理班が田中女史率いるハンター集団に入会することになり、かなり派手な歓迎会やったよーって聞きましたが。


ここ1課にはそういう文化がないみたいで、杉田課長が、「小山田さんの歓迎会しよーぜっ」って言ってくれたにも関わらず、手を挙げてくれる人は一人もいなかった。


さすがにこれメンタルやられるやつ!!

もうかれこれ3ヶ月経ってて、すでに歓迎会の消費期限も切れたわ!! そして、私の堪忍袋もな!!


悪いと思ったのか、杉田課長が苦笑しながら、何度も奢るよ、と言ってくれる。

いつもならお断りだが、一応歓迎会という名目で食事でもどう? と。その気遣いも正直キツいものがあるが、せっかくなので、100回のお誘いに1回くらいはお応えして、もうこの際気持ち的歓迎会終了にしてもバチは当たらないと思い、オッケーした。

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