表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/202

*3

若狭社長はすでに去り、坂崎とチーフ数人が残っている。当の坂崎は、いつもの鉄面皮でお構いなし、という態度。


女の子大好きな俺がいくか、みたいな雰囲気になり、俺が書類に手を伸ばした瞬間。


「え?」


落ちた書類には、まだ締結前の『契約書』。あちらこちらに付箋が貼ってある。


(これって)


「この付箋って……」


付箋を見ると、色々訂正事項が書いてある。


「あ、はい。契約書に不備があるような気がして、今から総務の方にお聞きしようと……」


「それって、その契約書作った営業の仕事だよね?」


俺は書類を渡しながら、小山田さんに言った。

すると、その様子を見ていた女子ーズが、やんややんやと囃し立てた。


「これ、2課の小林さんが作ったやつなんですけどぉ。小林さんて、いっっっつも文章とかワードとか間違えるんですぅ」


「だからいっっっつも小山田さんにぃ、直しておけってえっらそーに……ね!!」


二人が顔を見合わせて、頬を膨らませている。ハコフグか。


「え!? そうだったの? 知らなかったよ、俺から小林に自分でやるように言っておくよ」


坂崎が中腰になって、小山田さんに声を掛ける。


「いえ、私はまったく構いませんので。これも仕事の内ですから」


あらら。かっこいーね。今どきこーんな地味なの珍しいし、営業2課にこーんなしっかりした子がいるなんてな。

他に抱えた書類の数々を見ると、山盛りの領収書や請求書etc。彼女が事務処理班で、とても優秀だということを察した。


「よくできる子なんだね」


俺がそう言うと、途端に顔を真っ赤にして俯いてしまった。黒縁眼鏡に邪魔されてはいるが、くりっとしたおめめが、あら可愛い。


坂崎がなんの気なく、「杉田、先に行くわ」と言って2課に戻っていく。


「あ!! 待ってくださいよぉ⤴︎ 坂崎カチョー♡」


女子ーズが坂崎を追いかけていく。


そして、小山田さんもさささっと立ち上がって、失礼します、と廊下を小走りで行ってしまった。


まだこの時点で、坂崎は小山田さんを意識していなかったように思う。

それなのになぜあれほどまでに執着するようになったのか。


そう。そこが気になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ