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「小山田さんさ、お前んとこ2課ではかなり浮いてんじゃね? あの性格だろ? 2課の雰囲気にはそぐわないっつか。居づらかったのかもな」
「全然……気づかなかった……」
俺は頭を殴られたようにショックで二の次が告げられなかった。
小山田さんという存在に気づいたのが、確かについ最近のことだったなと思うと、営業2課を統括する立場の自分にも非があったのではと思えてくる。
「だとしたら……上司失格だ」
ようやく言葉を絞り出した。
俺のしょぼんな様子を見て杉田は悪いと思ったのか、「いや本当のところはわからんけどな。まあ何らかの理由があるわけだから、小山田さんの気持ちを最優先して、1課に寄越せよ。こっちからは多田牧田ペアを行かせるからさ。そこトレードってことで」
「え! あの二人か!?」
「なに言ってんの! そこしかないだろーがよ」
「それは嫌だ」
「はっきり言うね〜」
なんてこった、ぶりっこが二人も増えてしまう。
ぶりっこの増殖。このままでは恐ろしいことになる。
そう考えると、小山田さんの存在が光り輝いて見えてくるな。俺の息抜きというか、癒しというか。
俺が金魚であれば、小山田さんは酸素や休む場を与えてくれる水草のような存在。俺が砂漠に住むインパラなら、小山田さんは喉を潤してくれるオアシスの澄んだ水のような存在。俺が人間であったなら……そう、小山田さんは香り高いホットココアのような存在だ。(ココア好き)
「とにかくこの話は保留にしておいてくれ!」
俺はそう声高に言うと、杉田をそこに置いたまま、駅へと向かった。




