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営業1課杉田課長の怪しげな行動 PART1


面談室とは人事ヒヤリングを行う部屋で、オフィスと離れているので、気楽に本音を話しやすい。


俺が立ち上がると、小山田さんは「お話しするようなことはありませんので。どうかご検討ください」と言って、席に戻ってしまった。


(え、なんで? 嘘だろ、小山田さんが1課に……?)


俺は、「あ、ああ」と言うのが精一杯で、それからは記憶がなかった。



営業1課の課長杉田の、してやったりのいやらしい顔が浮かんでは、やめろそれはダメだと手で払う。俺はそんなことを無意味に繰り返していた。


(杉田のやろう……引き抜かないってあれだけ言ってたのに……)


だが、杉田は基本信用がならないところがある。だからこそ、変な方向に行かないように釘を刺してもらうつもりで、若狭社長をあの場に呼んだ。


実を言うと、杉田、社長の若狭とは大学が一緒で友人関係だ。二人とも気さくでラフな性格なので、三人でよくバカなことをして遊んだりして、普段からつるんでいた。


大学卒業後のことだった。普通の企業に就職していた俺と杉田は、卒業から数年後、若狭から起業するからと、共同経営を持ちかけられた。


だが、共同経営は必ずと言っていいほど、遠くない未来にほころびが出る。杉田とも話し合って、俺たちは課長の座を希望した。


営業の成績が上がれば、賞与にも影響する。1課と2課はそうやって切磋琢磨してきたのもあって、会社経営は安定しつつある。


確かに、1課と2課でトレードはあるし、個々の異動希望もきいてきた。営業が合わない、経理に行きたいなどと言う社員もいれば、杉田とソリが合わなくてと2課に来た社員もいる。


(とにかく杉田と話をつけなくては……)


俺は、小山田さんをちらり見た。


小山田さんは恐ろしいくらい集中し、仕事に没頭しているようだった。



「おいこれはどういうことだよ!」


俺は小山田さんから突きつけられた異動願を握りしめ、杉田の帰りを狙って、エントランスホールで凸った。


けれど杉田は、きょとんとした顔でかぶりを振る。


「なんそれ、俺、小山田さんのこと引き抜いてなんかないぞ」


「じゃあどうして異動願なんか……」


「知らん! とにかく俺は事務処理班の面々を紹介しただけだし、仕事の話しかしてないからな」


「……そうなのか」


杉田がふふんとあごを打った。


「お前のことが嫌になったんじゃないか?」


「え!? それはない!!」


と言い切ってはみたが正直自信はなかった。嫌われてはいないと思う……

が、その可能性は否定できない。『愛の成就ムック』の偽情報によって振り回され、俺の立場がかなり危ういのは否めない。


「じゃあアレだ。いじめ」


「え?」



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