*5
そう。それよりも。
私は落胆した。
これまでの坂崎課長の怪しい行動を思い返してみる。
ましてや坂崎課長の7つの不可解な行動。その行動に私は次のように結論を出した。
『坂崎課長は、わたくし小山田咲のことが、好きか嫌いかのどっち? って問われるのなら……まあどっちかって言えば、嫌い』(←遠回りしてみたが結果嫌い)
好かれてるとは思ってなかったが、これほどにまで嫌われているとは。
1 : Φブレインのシール付きウェハースを撒き餌し、私の隠密行動を嘲笑う。
2 : コラボカフェにて当たったレンジくんのコースターをわざと領収書につけて、私が翻弄されるのを楽しむ。
3 : レンジくんのコースターをあげると言って反応を楽しんだのち、私をコラボカフェへのダシにする。
4 : コラボカフェにて私が痺れを切らすまで放置する。
5 : 放置の理由に伝家の宝刀『下痢』を選択。
6 : お姉さんがいると嘘を言ったり(実際はいないことが判明)、レンジくんをのけものにしたりして、私を腹立たせる。(ここでBL疑惑あり)
こうして並べてみても、なんということだ。性格の悪さが際立っているんじゃないだろうか。私のファイブレ愛を利用して振り回すなんて。性悪の権化、悪のフィクサー、そして地球外生命体と言っても過言ではない。(←過言)
「ってかこの行動、全部私に対しての嫌がらせじゃん……」
そして、極め付けの7つめ。
「私が1課に異動するように……わざと社長を送り込んできた……」
昨夜の電話は、社長を使った裏工作を、隠したかったんだろう。自分は反対しているように見せかけて。
「だからってそんな遠回しに裏工作して追い出さなくても、それならそれで……正直に異動願い出してくれって言ってくれたら良かったのに」
私は痛む胸を押さえながら、「坂崎課長は性悪、坂崎課長は性悪」という言葉を何度も繰り返した。
「……明日異動届を出そう」
*
「え? えっと……どうしてなのか理由聞いてもいい?」
俺のデスクの前に、異動願が出ている。
信じられない目で見つめながら、小山田さんを見る。小山田さんは無表情でそこにいる。
「…………」
俺は焦ってしまって、「やっぱり杉田が、」と言い掛けて、黙った。
営業2課のオフィスが、波が引いたかのように、しんと静まっている。
「ここじゃなんだから、面談室で話そう」




