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31/202

*2

なんでなんで?

なんでを連呼。

えー社長って本当に存在するんだ。


……ってな具合にプチパニック。あ、1課の事務処理班の面々も、あっけにとられてるー。


WEB制作会社『SSK企画』の社長、若狭優わかさすぐる、若干25にしてこの『SSK企画』を起業、5年で莫大な利益を出し、経済界から注目を集めている。


「会社経営とは推し活のようなもんです」


会社案内のパンフレットに、この言葉が社長の金言として掲載されているのを見つけ、直ぐさま応募した。当時はまだファイブレに沼っていなかったとはいえ、代々さまざまなジャンルで推し活はしていたため、この人とは考え方が似ている、シンパシーを感じる、となり。


「社長! 社長がお持ちになっている推し活理念に共感し、この会社に応募しました!!」


って、その場で言いたい気持ちを抑え込んだ。(←面接では言った)


痺れる! かっこいい! これでアラサー? いい加減にして!

坂崎課長も杉田課長もかっこいいが、そのかっこいいを軽く凌駕している。

イケメンハイスペ三銃士、爆誕。


「えぇー!! やだこの人、社長ぉ?? ホンモノ?? やだあ社長!! イケメててお疲れさまですう♡」


多田牧田ペアが甘ったるい声を出したが、え? 社長の顔を知らない?

しかも社長と認識してからのその態度。どこまでも限りなくぶれない。ここにも少しシンパシーを感じないわけではない。

私もお辞儀。


「うん。なんか重要な会議しているみたいって、坂崎が……」


ぶふっと杉田課長が吹き出す。


「顔出しておいた方がいいとかなんとか言ってたんでしょ?」


「そう。で? 坂崎は?」


「いない。今日は営業の事務処理班の多田さんと牧田さんが、小山田さんから事務の指南を受けることになってるだけだから」


「おっ、東西の巨塔が集結したんだね」


「やだあ社長ったら、私たちただの事務ですからあ。巨塔っていったら、我らが杉田課長と坂崎課長のことですよね♡ ねー小山田さん?」


「はいそーです」


おおう。この二人クネクネだが、さすが最難関の面接を通っただけある。巨塔の意味を履き違えてはいない。


「じゃ小山田さん、1課の二人のデスクの方に来てもらえる? たぶん事務処理箱の改革からしないと、効率化ははかれないと思うんだ。色々とアドバイス貰える?」


「はい。わかりました」


立ち上がり、ぞろぞろと会議室から出ていく。


ってか社長なにしに来たん?

ってか坂崎課長、なんで社長呼んだん?


私が最後に出ようと立ち上がると、社長が「悪い、杉田。向こうでちょっと待ってて。俺、小山田さんに話があるから」


と、のたまう。


会議室のドアをパタンと閉めて、社長がずいっと私の前にたった。




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