営業2課坂崎課長の怪しげな行動 PART5
ちょっと待ってくれ。俺、やらかしちまった?
どうしてこんなことになったのか?
やらかしちまったやらかしちまった〜
自宅のリビングでこっそり 泣いた……。
俺は1冊のノートを取り出して、ページをめくった。
「放置。これも……失敗と」
あれから、小山田さんはひとり帰宅してしまった。よく見ると、カフェのテーブルには、1枚の封筒が。
『珈琲牛乳代』とペンで記してあり、中には千円札が入っていた。
「(珈琲牛乳ww)そりゃ全部飲んだら、帰るわな」
当たり前のことに気づくのに、当たり前な時間がかかってしまった。
『放置はある意味スパイス』
なんて名言、いったい誰が言ったんだ?
コラボカフェでひとり、空になったグラスを呆然と見ていると、さっき喋っていた店員さんが、あらあ? フラれちゃいましたあ?
なんて、言うもんだからさ。
「放置し過ぎですよ〜〜」
わかってる!!
さっきまで、あれだけチヤホヤされてたのに、どんと急降下。自分が底辺にでもなったような気もして情けなくなり、慌ててコラボカフェを出た。
そんなわけで、俺はやらかした。
小山田さんに、なんて説明すれば良いのだ。
スマホの前で考え込むこと、1時間。
もちろん小山田さんからは、何の音沙汰もなし。
「これだから恋愛初心者は……目もあてられないな……」
ただ。こうしてLINEは繋がっている。
小山田さんのアイコンはもちろんファイブレのレンジだ。
「はあぁ」
ため息しか出ない。机の上に置いてある、今日自分が貰ったコースター。もちろんこれもレンジだ。
店員さんに対してレンジ推しをかなり主張したからか、俺と小山田さんの2枚ともレンジのコースターを持ってきてくれた。
小山田さんが、あの場で先に帰らなかったらもちろん、これも献上できたのだが。
(それにしても……なんて切り出そうか)
わざと『放置』したとは言いたくないし、言えない。
「あまり使いたくない技だが、仕方ない……」
俺は小山田さんのLINEを開いた。




