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「さあ、行こうか」
俺はすかさず手を出して、小山田さんの手を握った。駅からワンドゥーランドの入り口までは、歩いて5分ほど。
「あっ、は、はい」
くーーー。控えめに言っても最高。
ありがとう神さま仏さま。これからも小山田さんと仲良く過ごせますように。
*
はあ。会ったばかりなのに、もう手を繋いでいる。奇跡か。
こんなイケメンハイスペと手を繋いで歩く。
嬉しいが、少し恥ずかしい。道ゆく人がじろりじろりと見ている気もする。もちろん坂崎課長を見ているのには間違いないのだが、以前まで私もその他観客だった私。
その私が当事者になっている。
は?
え?
ちょ?
やば?
イケ
メン
すぎ
かっこよ!!
ってな感じに、みんなの顔が小刻みに振り切れる。
誰もが振り返っていく。
ひえー。
「チケットこれね」
スマホを差し出す。
「え? 課長、もう買ってくださってたんですか?」
「うん。電子チケット。おかんにやり方聞いて予約してみました」
「ありがとうございます。では、お昼ごはんを出させてください」
「ははは大丈夫大丈夫。今日は任せておいてよ!」
スマートだ。仕事のできる男は、デートも完璧のぺき。そうこうしているうちに、ワンドゥーランドに到着。
入り口に入る際、スタッフが配布しているファイブレのポストカードをいただく。
「わあハジくんだ」
モデル担当だけあって、スラリ背も高く、タカアシガニかってくらい足が長い。(残念)
「俺のもあげるね」
差し出されたポストカードは、ファイブレメンバー頭脳派カナエくん。
「良いんですか? ありがとうございます!!」
「レンジくんじゃないのは残念だけど、また来ればいいしね」
「はいっっ」
入り口のゲートをそう会話しながら、通った。なんか彼氏彼女っぽいな。
そこへ。
「あの……良かったらこれ」
私たちの前に並んでいた男性二人組が振り向いて、ポストカードを差し出してきた。
奇跡のWレンジくん。かかかかかかっこい。
「俺たち、これあんま興味ないんで」
「え、あの、い、良いんですか?」
「どうぞどうぞ」
震える手を伸ばして受け取ると、男性がふふふと笑い、「すげえファンなんすか」と問うてくる。
私も負けじと「はい!! 大好きなんです!!」といただいたポストカードを胸に抱く。
幸せが胸いっぱいになったところで、隣にいた課長に肩を抱かれた。
ふあ!?
「彼女の一番の推しなんですよ。ありがとうございます。咲、良かったね」
え、な、名前???




