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坂崎、小山田の両者壮大な勘違いと板挟みな杉田課長



「え? え? どうしたの? どういうことなの?」


小山田さんが泣いている。とぼとぼと歩きながら、涙を拭っている。


「す、杉田課長、どうされたんですか?」


赤く腫れた目で、ぼんやりと俺を見た。


「どうしたのじゃないよ。あれ? 坂崎は?」


「課長は……ご臨終……間違えた……ご結婚されました」


「はあぁぁぁああ???」


どんな間違え方なのよ。どっちもないない。\(^-^ )

訳がわからない。


「と、とにかくこれ、」


ガサッとレジ袋を差し出す。中には、酒や缶ビール、つまみなどが入っている。


「話、聞くから。小山田さんの家にお邪魔してい?」


「どうぞ」


魂の抜けたどうぞだ。本当に何があったんだ?


俺は今日。


坂崎がようやく心を決め、小山田さんに告白すると聞き、まあどうせ上手くいくだろうと算段し、頃合いを見計らって、こうしてお祝いの酒を持ってきたというのに。


良い雰囲気になったところをぶち壊しに来たというのにね♪


俺は靴を脱ぎながら、「えっと……待ち合わせは5時だったよね? もう8時だけど、その間はどうしてたの?」


「四川楼から記憶があまりないんですけど、たぶん歩いてました」


「四川楼から!? それはたぶん3時間コースなんじゃ……」


(なにやってんだよ、坂崎はよお)


怒りが湧いた。


小山田さんを3時間も歩かせるなんて、坂崎のやろう、なんてポンコツなんだよ。恋愛に疎くて確かに告白とか付き合うとかしたことないから経験も浅いけど、その人間性を疑ったことはなかった。それなのに。


「それで? なにがあったの?」


季節外れのコタツに足を突っ込む。俺は周りを見回した。小山田さんの家は、意外にもシンプルだった。

もっと推し活ポスターとか、ベタベタ壁中に貼り付けてあるかと想像していたが、そうではない。


俺があげたレジ袋から、ぼげーっと缶ビールをひとつひとつ出している小山田さんの、見るに耐えないその姿。


「教えて。坂崎のやろうが小山田さんを傷つけるようなことでもしたの?」

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