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121/202

*3



『若狭! てめえ、なんてことをしてくれたんだ!!』


ホテルにチェックインしてから、風呂に入り、少しyoutube観てから、夜9時に消灯。


本日も仕事頑張った。今回は小山田さんが着いてきてくれたから、商談もスムーズに進んだ。


「あんな昔の資料まで持ってきてたのか……」


物価の上昇を理由に敢行した値上げ。取引先の相手に早々に突っ込まれた。そのタイミングの是非を問われ、過去の価格の推移と、その理由を説明した。


もちろん頭の中には入っている。だが、可視化して提示するのとでは印象が違う。

小山田さんが出した資料は、私物とのことだが、綺麗に纏められていてわかりやすく、よく出来ていた。


会社の歴史をよく勉強しているようだった。


「いや、あんな人材なかなかないわ」


秘書にして良かった。


それにしても。出張前日の夜に来ていた坂崎のメールに気がついたのは、当日の朝の6時。

その日の夕方、坂崎の急な凸に遭ったわけだが、その後どうなったんだろう。

心優しい小山田さんのことだから、きっと坂崎を泊めてくれたに違いない。


(まあ男女二人が一つの部屋で寝るんだから、間違いなく間違えるだろう……)←ゲスの極み


「坂崎、ひとつ貸しだぞ」


そう送信すると、『ばかやろう! おまえぇ、やってくれたなぁおいぃぃ』


よし。上手くいったようだ。

だが。追加のLINEが来た。


『若狭、ただし、だ。金曜日、仕事が終わり次第、速攻で帰るんだぞ。ましてや土日に観光だなんて言語道断だからな。もしそんなこと1ミリでもやってみろ。一生、背後霊として付き纏ってやるからな』


坂崎ならやりかねん。お土産ゆっくり選びたいな〜なんて思っていたが、帰ろう。



出張から帰ると、私はカバンの中身を全部片付けてから、ため息をつきながらも、のんびりモードに入った。


金曜日。


坂崎課長との別れ際に、「ちゃんと金曜日に帰ってくるんだよ。土日を使って観光とか、しちゃだめだよ」と言われて、「イエッサー承知しました!!」と元気小僧のように、敬礼までしてしまった。


完璧に不審者だ。周りの目も気になったし、居た堪れなくなった。


早足で、電車に乗り込んだ。


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