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115/202

*2

そして、


『それでですね、なかなかホテルが空いてなくてですね。とりあえずお部屋は一つは確保してあるから安心だとは、仰っていました』


安心? はあ??


部屋が一つだったら、二人で泊まるしかないじゃないか! どこが安心なんだよっ。


何やってんだ若狭は!!


「行く。俺も行くから。退勤したらすぐ新幹線乗るから」


送信。ピロン♪


『どうして課長が?』


ここで、ハタと気がつく。そうだった。小山田さんが、楽しみにしてると。


だが、男女二人でホテルの同じ部屋、お菓子パーティーく、ら、い、な、ら、


だめ。


「秘書就任後、初出張記念を祝って、飲み会しよう! 杉田も誘うよ!」


『承知しました』


明日に向けて、とりあえず今日は寝よう。


あんまり深く考えたくなくて、俺は直ぐに寝床に入った。



(ホテルの予約はどうするのかな)


行楽シーズンということもあって、ホテルはどこもいっぱいで。

若狭社長も苦労して、予約されていた。


(課長、今日泊まるところ、大丈夫なのかな)


チラと横を見、様子を伺う。

あの後、課長にLINEを送ったが、返事はなかった。


「あ、社長」


若狭社長がトイレから戻ってきた。


「お待たせ〜。それにしても小山田さん、ミヤノコーポレーションの件は、うまくまとまりそうで良かったよ」


「はい。契約書も速攻で郵送してくださるということですので、会社に戻りましたら、さっそく詳細とともにWeb担当課に回しますね」


「うん。頼む。さすが小山田さんだねー。小山田さんの仕事ぶりは、素晴らしい!! 俺も満足してるよ」


「ありがとうございます。ご期待に沿えるようこれからも精進します」


バッグをぐいっと肩にかけ直した。


「それにしても、すごい荷物だね。中身は洋服とか?」


「いえ、中身は……ファイブレのレンジくんのぬいが入ってます」


「ぬい?」


「ぬいぐるみのことです」


「ええ! ぬいぐるみ持ってきたの?」


「はい。これがないと、眠れなくて」


「えーーーこれがないと眠れないなんて、可愛いーなー!! な? 坂崎!!」


社長にふられて坂崎課長をチラと見た。だが課長の様子がおかしい。なんだか、わなわなしているようだ。


「若狭あぁぁおまえなあ。ちゃんとホテル取ってたならそう言えよっ」


「まあ、小山田さんとは別のホテルだけどね。どこも空いてなくてねえ。今の今までかなり苦労したよ」


「ってことは俺の泊まるところは……」


「ないな」


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