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営業2課坂崎課長の心配事


「小山田さんはもしかして、もう若狭のことが……」


確かに若狭のことを、『別格枠』そう言っていた。小山田さんが若狭のことを好きになる。

その時点で俺の負け。


そう想像するだけで、胸が痛んで痛んでしょうがなかった。


「二人きりで出張だなんて……俺、」


耐えられるだろうか。


出張は、東北方面。木曜日金曜日の二日間。もう一泊すれば、土日だから二人っきりで観光でも……ってやろうと思えばできる。


悪い方悪い方へと考えてしまう。暗くなっていく自分自身に、愕然とした。



「よし行くか。その出張」


俺は杉田。珍しく坂崎がランチに誘ってきた。だが、当の本人はまったく落ち着きがない。明日から若狭と小山田さんが出張に行くからだと推測できる。


「はあぁ〜〜明日かあ。もう今日から金曜日まで、記憶無くしたまま生きていきたい」


さっきから宇宙船に乗って未来に行きたいだとか、時よ止まれなどと実にめんどくさい。唐揚げ定食を食べながら、俺はついに言った。


「二人についていけばいいじゃん」


すると、箸にぶっさした唐揚げを口へと放り込み、怒りとともにもぐもぐ咀嚼しながら坂崎は主張した。


「はあ? そんなこと、できるわけないだろ?」


「できるだろ。有給取りゃいいんでねえの?」


「それも考えたんだが……」


考えてた♪

よっぽど心配なんだな。おまえ、めっちゃ小山田さんのこと好きな。


それなのにな、若狭のやろう。この状況、楽しんでやがる。坂崎のこと、揶揄って遊んでんなあ。


大学の頃から若狭はモテたが、若狭より坂崎の方が頭ひとつモテてるもんだから、そこんとこちょい拗らせてんのな。


坂崎が翻弄される姿を、楽しんでいる節がある。


だが、そんな若狭も、本気で坂崎の幸せを邪魔しようとしてるわけじゃない。あやつもまた、俺と同様に、坂崎が幸せであれと願っているからだ。


ピロン♪と、坂崎のスマホが鳴った。


「あ、れ? 若狭? こんな時間に珍し、」


すると、坂崎が固まってしまっている。顔の色もさあぁっと引いてしまい、白い。

おいおい、こんな色白な坂崎、大学4年に実験室にこもって論文書いてた頃、あまりに白すぎて教授に日サロで焼いてこい! と割引クーポン貰ったぶりだぞ。


ピロン♪


「おい、どうした? 何があった?」


坂崎が無言でスマホを見せてくる。


相手は若狭だが……


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