表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

109/202

*2

『スプレーみたいだな。ヘリウムガスだと?』


『これでこうすると、変声になるらしい』


私は課長を見た。神妙な顔で、鼻を少しすすってる。


シューという音声。杉田課長が大口を開け、スプレーを入れている。


『おい変わったか?』


ワントーン高い声。ぶっと笑う。わはははは!!


『女みたいな声になったぞ。ねえ、ゆうちゃ〜ん、すぐるく〜ん』


『わはははは』


そこで動画は終わった。


「あのさ、さっきのほんとに杉田の声で、女の子じゃなくて」


「それを言いにわざわざ……?」


「彼女いるとか思われたくないし、この前の美香のこともさ、あれはほんとに元カノとかじゃないし」


課長が頬をほんのりと染めて、うつむき加減に言った。やだ。私にも移っちゃったのか、顔が熱くなってきた。


「そ、そうですか」


「それでその……急に来てごめん。小山田さんの電話の用件も気になってて……」


「あ、あれは異動の件で少しお話しを聞いて貰えたらなって思って」


「あ。やっぱりその件だよね。俺もそう思って。不安だよね。やったことのない仕事だから」


「はい。少し。自信がなくて」


坂崎課長がドアを交代して持ってくれたので、私は両手をぎゅと握った。


「小山田さんなら秘書なんて、楽勝だ。できるできる! もし何か不安に思うことがあったら、俺が相談に乗るし。ってか、相談してくれたら嬉しいし。若狭や杉田より頼れる男だから、俺」


課長の話を聞いていたら、さっきまでの涙がどこへやらと吹っ飛んでいった。盛大な勘違いだったんだ。やっぱり課長は優しい人だ。


「ふふふ。ありがとうございます。社長より、杉田課長より、坂崎課長に頼ります」 


すると。


「あ、うん……」


急にトーンダウン。見ると、さっきより顔を真っ赤にして口元に手の甲をあてて、恥ずかしそうにしている。


わあ。胸がキュンと鳴った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ