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*1

秘書といえば、四六時中側にいて、仕事のやり取りをするはずだ。そんなの、羨まし過ぎるし、悔し過ぎるし、心配過ぎるし、正直羨ましい。


ああ情緒不安定になりそうだ。


それに月曜日から金曜日、毎日小山田さんの顔やつむじを見ていたのに……あーーーすでに情緒不安定だよすでにっ!!


けれど、と考えてみる。


小山田さんが秘書になるなら……若狭の仕事の効率は格段にアップするのには間違いないと思う。会社のためにはそれが一番……だが。


「くそっ……でも、それしか道がないなら……」


「わかってくれたか、坂崎」


「もう小山田さんには了解を得たのかよ」


「いやまだだ」


「小山田さんがOKするなら、仕方ない……よ」


「悪いな、坂崎」


若狭がポムっと肩を叩いた。くそっくそっと心の中では叫んでいた。



「そんなわけで秘書の仕事をお願いしたいんだけどどう?」


飲んでいたコーヒーを口からぶちまけるところだった。なんでそうなった?


「ひ、秘書??」


私は疑問を口にした。


「あの見目麗しく仕事もできる社長の秘書、前田さんの後任……ということですか?」


「そうそう」


そうそうっっっ   て、あんた!! できるわけなかろーーもん!!


「あのっ社長っ私っ生まれてこのかた事務しか経験なくてですね。根っからの事務肌と申しますか、事務なら目に入れても痛くないと申しますか、とにかく秘書!! なんてできませんよ!!」


このイケメンハイスペ社長の隣を歩けだと!? 息が詰まって呼吸できないと思う。そういう意味でまず生存することが、不可能だと思う。


「そんなかしこまらないでよ」


かしこまってないから! 命の危機を感じてるだけだから!


「前田さんから色々教えて貰えるだろうし、俺なんかは小山田さんのこと、能力的にも適任だと思うし、きちっとしてるからスケジュール管理とか、できると思うけどんだよね、ちょいちょいっと軽く」


魔法使いか。軽るうっ。


「でも!! ……その、さ、坂崎課長は……なんて仰ってましたか?」


「えー? 坂崎い? なんか小山田さんがいいなら良いみたいなこと言ってたよー?」


ずむっと胸に矢が刺さった。痛い。簡単に抜けない矢だ。かえしがついてるようなやつ。痛い。


「……課長がいいと仰るのなら……」

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