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101/202

*4

課長の顔が近づいてくる。イケメンの顔圧がすごい。後退りしそうになったが、肩を抱かれていて、びくともしない。


課長の瞳。熱い眼差し。私の目をとらえて離さない勢いで、じっと見つめてくる。


息をするのを忘れてしまっていた。


課長が目線を落とす。私の唇あたり。


え、と思った瞬間。

すいっと顔を上げて、私のおでこにチュとキスをした。


はうあぁぁ!! なぜにホワイ?


ぐいっとさらに肩を抱く。私は課長の胸元にすっぽりとはまってしまっている。さらに頭の後ろに手を移動し、ぐぐぐとがっちり押さえられた。


「デートの邪魔をするんじゃねーよ」


坂崎課長がきっぱりとはねつけた。


「デートねえ。そうは見えないけど……わかったわよ。今日は引き下がる。かきつばた水族館へ、またお越しくださあーい」


そう言って、美香さんは去っていった。


私は……というと、ガッチリサタデー、ぐいっと拘束されている。


「あの……かちょ」


「あ! ごめんごめんご! 変な話になったゃて」


身体を離す。すると! 課長のお顔が。


真っ赤。


「み、美香のやつ、本当にしつこいやつでさ。これくらいしないと引き下がらないっていうか……」


水槽へ向かって歩き出す。


「俺なんか、小さい頃からずっと付き纏われてたんだけど、大学入ってから結構勝負かけてくるようになってさ」


「肉食系女子ですね」


「そうそれ! で、若狭や杉田にも絡むようになってな。もう限界来たから、俺ら男3人付き合ってるってことにしたんだ」


ぶっと吹き出してしまった。BLドラマ再来ww


「三角関係ってことですか?」


「そう。がっちりタッグを組んで、美香に入る隙を与えないようにってね。そんなわけで俺ら全然、美香とは付き合ってないんだけど、元カノって言いたいのか、ああやっていつも絡んでくるってわけ」


「ふふふ」


「あ、マジなやつじゃないからね? フリってだけで、俺らはみんな、女の子が好きだから……」


笑ってしまった。面白い話すぎる。課長も思い出したのか、はははっと声を上げて大笑い。


「はは、俺らが付き合ってるってわかった時の美香の顔、めっちゃ驚愕って感じでな」


「必死だったんですね。ある意味ホラーです」


「粘着怖いだろ?」


けれど。


「ふふふ、モテるのも考えもんですねえ」


そう言ったら、課長がすんと笑いを収めて、少し沈黙。そして。


「モテるとしても、好きな子に好かれないなら意味ないよ……」


そっとため息をついた。


あれ? さっきまで笑ってたのに、笑い合っていたのに、もう胸が苦しい。


好きな子、か……いるのかな……いるよね。


ややや違うこと、考えなくちゃ!


すると今度は。

思い出してしまった。

課長の唇が触れたおでこをそっと触る。


(あれ、キス、だったよね……)


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