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91話 金策と新武器

 ギルドで騒ぎを起こしてしまい、逃げるようにダンジョンに駆け込んだ私達。

 十層の平原へワープした私達は、その隣にある下り階段で十一階層へ向かう。

 ……因みに、ミラはいきなりの出来事に「何で?」って顔でさっきのことを聞いてくる。

 うん、言いづらいけど、頃合いを見て何とか説明しよう。

 そう考えながら階段を下りるうちに、また私達は転移され、洞窟のような場所に出た。

 

「へー、ここが十一層のエリアってわけ?」

「そうね、ここから十五層までは洞窟エリアって呼ばれてるわ」


 最初のエリアと同じ、再び閉鎖空間だ。

 おまけに洞窟なだけあって暗い。

 ヒカリゴケの様な物がそこらに生えているお陰で視界は問題ないが、それでも薄暗いことは確かだ。

 暗がりからの魔物や冒険者狩りの奇襲を防ぐため、常時探知魔法を使って警戒しなければならないだろう。


「それにしても……冒険者が多いわね」

「みんな、大きなリュック背負ってるよ?」


 アルテナとミラが周りを見渡しながら言う。

 広間のように広いこの場所には、数十人の冒険者が集まっており、なかなかの密度だ。

 ただ、この光景は別におかしいわけではなく、大きなリュックを背負っているのもちゃんとした理由がある。

 

「アルテナ、ミラ。この洞窟エリアはヴェインで一番安定して稼げる場所なの。だから、冒険者が一番多いエリアと言っても過言じゃないわ」

「へえ、あんた詳しいわね」

「マニュアルに書いてあるのよ、あなたも読んだら?」


 そう言って、私は腰につけた本を取り出す。

 これは、以前マルタから渡されたダンジョンマニュアルだ。

 こちらを煽るような文章だが、書かれている内容は正確で、ダンジョンに行く時は常に携帯している。


「クソうさぎのマニュアルなんて読みたくないわよ。あんたが教えてくれればいいわ」

「そう、じゃあミラ、この前渡したあれを出してくれる?」

「はーい」

「……? エレン、あれって何?」

「このエリアで一番重要な物よ」


 ……十分後。

 広間を抜け、通路を歩いていた時。


「アルテナ、見つけたわ。あそこよ」

「ふ、任せなさい! とりゃーー!!」


 ガン! ガン! ガン!


 アルテナが気合を入れて、“ツルハシ“で岩の壁を掘る。

 そして、何回かの試行の末、拳大こぶしだいの鉄鉱石を掘り出す事に成功した。

 

「アルテナ、良くやったわ」

「アルテナ様凄ーい!」

「ふ、あたしにかかればこの程度ってちょっと待てー!!」


 アルテナがツルハシを地面に叩きつけながらツッコむ。


「ちょっと、壊れたらどうするのよ?」

「それより、何で鉱山夫みたいな事やらされてるのよあたしは!?」

「だからマニュアルを読みなさいっての」


 私はアルテナの目の前でマニュアルを開く。


「……えっと、『洞窟エリアはダンジョンの壁の表面が岩で構成された場所です! ここには魔石や貴重な鉱石が出現するので、このダンジョンで一番の金策場所となってますよ! 別名鉱山エリアとも呼ばれてますね! 頭が悪いポンコツでも力さえあれば活躍できる貴重な場所です! 存分に良い汗かいて下さいね!』こんな事でいい汗かきたくないわ!!」


 そう言って、そっぽを向くアルテナ。

 うん、まあこうなるとは思っていた。

 だが、この場所は貴重な鉱石が無限に出現するという、金の成る木のような場所なのだ。

 スルーするわけにはいかない。


「良いの、アルテナ? ここで稼いでおけば将来いい装備や、便利な魔道具なんかが買えるかもしれないわよ?」


 私がそう言うと、アルテナがピクッと反応する。

 よし、手応えあり。


「それに、ここはダンジョンよ? 言わば冒険者専門の稼ぎ場所と言っても過言じゃないのに、それをスルーするって、冒険者としてどうなの?」

「う……た、確かに……」


 揺れた。

 よし、最後のひと推し。


「まあ、でもそれならしょうがないわね。ミラ、鉱石を掘ってくれる? アルテナがやりたくないそうだから一人で頑張ってもらう事になるけど。アルテナがやりたくないそうだから」

「うん、わかった! アルテナ様の分までミラ、頑張るね!」

「……いやいや! 何を言ってんのよ!? 冒険者として稼ぎ場所を逃すわけないでしょ!? そもそもミラ一人にやらせるわけにはいかないっての!」


 そう言って、アルテナは再びツルハシを持つ。

 こうして説得が完了した後、ダンジョンの通路を進みながら、目についた鉱石や魔石をアルテナに掘り出してもらう。

 そしてミラには。

 

「ミラ、あまり力を入れすぎないようにね」

「うん。えい、えい、えい」


 本気でやると鉱石まで壊れてしまうだろうから、手加減してもらいながらツルハシを振って貰う。

 うん、なかなかいい調子だ。

 掘り出した鉱石や魔石はミラに収納して貰えばいいし、このままいけばかなり稼げそうである。

 

「ていうかエレン? あんたも掘りなさいよ! 何後方腕組み状態でサボってんのよ!」


 アルテナが文句を言って来る。

 確かに、普通ならその言い分は正しい。

 ……普通なら。


「……ツルハシは二つしかないし、仮にあったとしても……わざわざ言わせないでくれる……?」


 やりたくても出来ない……。

 私では掘るどころか、ツルハシを振る力すら無いのだ。

 それに気づいたアルテナは、「あー……。悪かったわ……」と言って、同情の視線を送ってきた。

 余計なお世話だ。

 それに、私には探知魔法で周りの警戒をするという役目が……ん?


「二人とも、この先から幾つか反応が近づいて来るわ。きっと魔物ね。どうする?」

「ふ、丁度いい所に来てくれたわね。ツルハシを振るうのも飽き飽きして来たところよ!」


 アルテナは待ってましたという感じで、腰に刺した赤と黒の双剣を構える。

 現れたのは、胴体と手足で構成された、体長二メートル程の無骨なゴーレムが数体。

 しかし、私が作る物とは違い、キラキラとした鉱石で表面が覆われている。

 このエリア限定で現れる、クリスタルゴーレムという魔物だ。


「よし、まずは一匹貰うわよ!」


 アルテナが素早く突撃し、ゴーレムの手足を斬りつける。

 しかし、切断するには至らず、他のゴーレムからの攻撃を宙返りしながら躱しながらこちらに戻って来る。

 

「硬!? こいつらかなり頑丈ね!」

「硬いだけじゃなさそうね、見て」


 先程の一撃で傷ついた箇所が修復されていく。

 鋼鉄すら斬るアルテナの実力を持ってしても硬いと言わせるほどに防御力と再生能力。

 なかなか厄介な敵だ。

 デスサイズ使おうにも、通路という狭い空間では振り回すのは厳しい。

 よし、ここは……。


「ミラ、お願い出来る?」

「そうね、ミラ! あんたの新武器、披露してやんなさい!」

「分かった! エレン様! アルテナ様!」


 ミラは私たちの前に移動し手をかざすと、ミラの背丈ほどある大きな、青く輝くメタリックなハンマーが手の中に出現する。

 これがミラの新武器、オーガブレイカー(アルテナ命名)だ。

 ブルーオーガの角と、重い鉱石を材料に使い、頑強さと重量を兼ね備えたハンマーである。

 ミラはそれを両手に持ち、ゴーレム達に突撃していく。

 

 

「行くよ! えーい!」


 ミラは、先頭のゴーレムに向け横振りの一撃を喰らわせると、ガコーン!!!!! という音と共に、ゴーレムは大きく吹き飛ばされる。

 すると、まるでボーリングのように後ろのゴーレムを巻き込み、全てのゴーレムが爆散するように砕け散る。

 流石にそこまでダメージを負うと再生できないようで、ゴーレム達はあっさりと沈黙した。

 

「す、すごい威力ね……」

「あれ、食らったらあたしでもなんかヤバそうね……」


 想像を絶する威力に、呆然とする私たち。

 とんでもない物をミラに与えてしまったのかもしれない。

 だが。


「わーい♪ ミラやったよー♪」


 そう言って笑顔で抱きついて来るミラを見て、ミラなら絶対間違ったことには使わないと思え、私とアルテナは安心する。

 よし、この調子でどんどん進んでいこう。

しばらく何もなければ3日投稿って形にしていきたい私です

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幼女つよい
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