表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/121

81話 ギブアップでーす!

ミラを狙うポットデーノの傭兵を、一刀の元に斬り伏せたマルタ。

 青く輝く氷の刀をくるくると回しながら鞘に収めると、再びポットデーノに話しかける。


「あ、因みに今すぐ「ごめんなちゃーい! この僕が悪かったでちゅー!」とか言って謝れば見逃してあげてもいいですよ? ほら、どうせ負けて大恥かくんですから、さっさと言っちゃって下さい!」

「き、貴様……! クリスウィスは後回しだ! お前達、何が何でもあのふざけた兎を殺せ!」


 煽りに乗ってしまったポットデーノは、傭兵にマルタを殺すよう指示し、傭兵がまとめて襲いかかって来る。

 と言うか、無意味に煽ってマルタは争いを起こしたいのか止めたいのか、どっちなんだろうか?


「おやおや来ちゃいますか? 後悔しますよー? 抜刀術そのニ、『氷嵐刹那刃ひょうらんせつなじん』!!


 マルタが再び腰を低くし、刀を握り締めた次の瞬間。

 マルタが一瞬で傭兵たちの背後に移動。

 それと同時に、氷の斬撃の嵐が吹き荒れ、傭兵たち全員を斬り刻む。


「「「「「ギャァァァァ!?」」」」」


 悲鳴を上げながら氷の斬撃に倒れる傭兵達。

 たった一瞬で、マルタは傭兵達全員を斬り伏せた。 

 

「おやおや、もう終わりですかー? まあ安心して下さい! 峰打ちならぬ氷打ちですから出血で死ぬことはありません! ギルドを血で染めるわけには行きませんしね!」


 マルタの言う通り、傭兵たちの傷は凍結しており、出血を防いでいた。

 これなら出血で死ぬ事はないだろう。

 まあ、斬っているのだから氷”打ち“かどうかは微妙なところだが。


「ば、バカな……一瞬で……」


 自分の部下が一瞬で倒された事に驚きを隠せないポットデーノ。

 かく言う私とアルテナも、かなり驚いていたのだが、周りの冒険者やギルド職員は平然とその様子を見ている。


「ち、ムカつくがマジでつえーんだよなあいつ」

「こっちを倒しながら煽って来やがるのがタチが悪いぜ」

「でもこう言う時は頼りになるんですよね……ギルマスと同じで」



 そんな言葉が聞こえて来る。

 え? もしかして知らなかったのは私達だけ?


「マルタ、あなたすごく強かったのね」

「ふん、クソうさぎの癖にやるじゃないの」

「お褒め頂き光栄です! 私は文武両道ですからね! ポンコツさんとは違うんですよ、ポンコツさんとは!」

「何ですってー!?」


 いつものやりとりが始まった。

 これで解決……と思いきや、ポットデーノが不敵な笑みを浮かび始める。


「クックック……正直驚いたわ。だが、こいつは勝てまい。 来い、モーブ!!」

「ハ、オオセノママニ……」


 ポットデーノの呼びかけに応じ、ギルドの外から全身を金の鎧で包み、巨大な斧を持った大男が現れた。

 ブルーオーガ並みの大きさだ。

 本当に人間なのだろうか?


「ふ、こいつは見かけだけではないぞ。スキル『金剛壁』を持つ、鉄壁の防御力を誇る巨人だ。貴様の刀でこいつを斬れるかな?」

「やれやれ、可愛い女性相手に大人げないですねー。確かに見た目だけではなさそうですけど、それで私を倒せるなんて甘い考えしても、しょっぱい結果にしかならないですよ?」

「ふん、いい気になっているのも今のうちだ! やれ! モーブ!」

「ハッ……。 ポットデーノサマノメイレイダ。 シンデモラウ」


 ポットデーノの命令に従い、マルタに向け斧を振り下ろすモーブ。

 マルタはそれを回避するも、ギルドの床を大きく破壊する。


「ちょっと!? ギルドを壊さないでくださいよ!! 誰が直すと思ってるんですか!? まあ私じゃないんですけど! 抜刀術その三『凍牙斬とうがざん』!」


 マルタはモーブに向かって飛び、力強い斬撃を喰らわせる。

 しかし、モーブの鎧に軽く傷がつく程度で、全く効いていないようだった。


「イマ、ナニカシタカ……?」

「うーむ、想像以上に硬いみたいですね。でしたら手数でいきましょうか! 抜刀術その四『氷刃連斬ひょうじんれんざん』!」


 再びマルタは攻撃を仕掛ける。

 今度は一撃では終わらない。

 床や壁、天井までも足場にし、目にも止まらない縦横無尽な動きでモーブを翻弄し、連続攻撃を仕掛ける。


「ク、コシャクナ……!」

「あはは! 見えますか!? 見えないでしょう! 図体がでかいから格好の的ですよ! どうですか、サンドバック状態になった気持ちは!? あ、でも!」


 モーブを煽りながら一方的に攻撃していたマルタは、何故か急に止まると刀を鞘に戻し、そして座り込む。


「残念ですが、もう勝負ついちゃいましたね! ……疲れたのでもう動けませーん! ギブアップでーす!」


「「「「「えー!?」」」」」


 マルタの急なスタミナ切れによる白旗宣言。

 その場にいる全員が驚き、呆れ、ずっこけた。


「クソうさぎ! ふざけてんじゃないわよ!」

「いやいや、私のスキル『神速』はとんでもなく素早い動きができますけど、その分疲れるんですよねー。 なのでもう無理でーす! これ以上動くと筋肉痛になっちゃいます!」

「寧ろなるまで頑張んなさいよ!!」


 アルテナがマルタの首筋を掴んで言うものの、全く動こうとしない。

 やれやれ、さっきまでの凄さはどこ言ったんだか……。


「グフフ、所詮はただのウサギよ。モーブに勝てるわけがなかったのだ。さあモーブ、さっさと殺してしまえ!」

「…………」

「……む?」


 ポットデーノが命令を出すも、何故かモーブが動かない。

 よく見ると、モーブの関節部分から冷気が漂っており、体全体が震えている。

 これはまさか……。


「マルタ、もしかしてただ攻撃していたんじゃなくて……」

「あ、分かりました!? そうです! 硬くて斬れないので、代わりに関節部分に冷気を流し込んで凍らせちゃいました! 今あの木偶でくの坊は一歩も動けないでしょうね! ちゃんと仕事はするんですよ私は!」

「な、何だと!?」


 マルタは勝つのは無理でも、相打ちに持って行っていたようだ。

 しかし、相手もただ凍って終わりというわけにはいかないらしい。


 「ク……コノ……テイドデ……!」


 モーブが少しずつ動き出す。

 どうやら完全に凍りついたわけではなかったらしい。

 だが、動きが鈍い今がチャンスだ。


「ミラ、あいつにトドメをお願い!」

「うん、わかったエレン様! えーい!」


 ミラはブルーオーガから奪った棍棒を出現させ、思いっきり振りかぶりモーブの脳天に叩きつける。


「グォォォ!?」


 棍棒の一撃は、モーブの兜を粉砕しながら脳天をかち割る。

 そして、膝をつきながらモーブは地に沈んだ。


「「「「「……は?」」」」」


 ギルド内から、呆気に取られた反応がこだまする。

 あ、そういえばミラの怪力についてはまだ誰も知らないんだった。

 

「エレン様ー! やったよー!」

「ええ、ミラ。よくやったわね」


 胸に飛び込んできたミラを抱き止める。

 しかし、この空気はどうするか……。


「えっと? エレンさん?」

「……じゃ、じゃあ私たちは帰るから。あとはよろしくね」

「分かりました、じゃないですよー!! しっかり説明してくださーい!!!」


 結局マルタに捕まり、その場から逃げることは出来ないのであった。

作者「マルタをうまく制御できずテンション高いだけに話になってしまった……」

マルタ「作者が下手くそなだけですね!私は悪くありませーん!」

作者「うぐっ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ