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1 平穏、突然終わる

初作品です。

稚拙な作品かと思いますが読んでいただけましたら嬉しいです。

感想や意見など随時募集しております

「水無月さん、この衣装作ってくれないかしら?」

「わかったわ委員長」


 ここは高校のとある教室、そこでは生徒たちがせっせと活動していた。


「委員長、メニューについて相談したいことが」

「すぐに行くわ。じゃあここはよろしくね水無月さん」

「ええ、わかったわ」


 ここで自己紹介をしておこう。

 私は水無月依蓮(みなづきえれん)、平凡な日常を愛する高校生。

 生粋の日本人で髪は黒、髪型は最近ポニテによくしている。

 何を作っているのか、それは来週行われる高校の文化祭で使用する衣装である。

 その服作り担当の1人として選ばれた私は、委員長の指示を受け黙々と服を作っている。


「水無月さんって本当裁縫が得意よね、確か料理も得意じゃ無かったっけ。羨ましいなー」


 同じ班のクラスメイトがそう言いながら話しかけてくる。

 

 (実際は器用貧乏なだけよ)


 小さい頃から私は苦手なことが無かった。

 なんでもそつなくこなし、親からも褒められることが多かった。

 だが、私はそれ以上になることはできなかった。なんでもできる分何かに特化した才能に恵まれなかったのである。

 その為、色々な習い事にも通ったがどれもあまり長続きがしなかった。

 

「まあ、悩んだこともあったけど……今ではよかったと思えるわ。」

「水無月さん、何の話?」

「いえ、なんでもないわ」


 言い訳ではなく、本心から私はそう思っている。 何かに特化すること、それ自体は特に何も問題はない。

 だが、そういう才を持ってしまえば自ずと目立ち、さらに責任も出てきてしまう。

 ハッキリ言う、そんなのはごめんだ。私はこの器用貧乏な才能を生かし、日陰者でありながら幸せを掴み取る。その幸せは平凡な者に落ち着くだろう。

 だがそれでいい。

 私は平穏で幸せな人生を謳歌してやる。齢16歳で私は人生の方向性を決めていた。


 しばらくして、衣装の仕上がりがひと段落したところ、私は教室を見回すとふと委員長が目に入った。 いろんな班を忙しそうに回り、チェックしたり手伝ったりしている。

 その仕事ぶりは私なんかよりずっと上だ。この学校で委員長ほど才色兼備な女性はいないだろう。



「水無月さん、衣装の進捗はどう?」

「……ええ、ひと段落ついたわ」


 すぐ隣に委員長が来ていたことに気づかなかった。少しぼうっとしていたみたい。外を見たらすでに日が暮れていた。


「そろそろ下校時刻みたいだし今日はここまでにしましょう。みんなー今日はここまでにし…」


 ブウォン…!!


「「「「「「!?」」」」」」


 急に委員長の下から謎の光が発せられ、床には何か魔法陣らしきものが浮き出ていた。


 「委員長!!」


 ドン!!


 何か悪い予感を感じた私は咄嗟に委員長を突き飛ばした。

 そして私の目の前が光によって遮られ……そのまま私は教室から消えてしまった。


 (•••ここは)


 目を開けるとそこは白い空間だった。

 これはアレかもしれない。

 ラノベで言う異世界転生、いや死んでないから異世界召喚と呼ばれるものかもしれない。

 辺りを見回すとその予想を肯定するかの如くその存在はいた。

 その少女は白いシャツと赤いスカートの上に黒いローブを羽織っていた。

 そして、ローブをはためかせ言い放った。


「クックック、よく来たわ人間の少女よ。我の名は女神アルテナ、お前を我が従者として異世界の旅へ連れて行ってあげるわ! 光栄に思いなさい」


 ……うん、なんか変な女神出てきた。


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