プロローグ
これは・・・僕が幼い頃の記憶
・・・とても幸せだったときの記憶
ずっと・・・「この時を過ごせたらいいのに」って
でも・・・
尚人「ぱぱー!ままー!はやくはやく!」
尚人の父「おーい、あまり走ると怪我するぞ〜」
尚人の母「そうよ〜気をつけなさ〜い」
尚人「だいじょうぶ〜!!」
当時、この時の尚人は五歳
このひは、パパとママとぼくのさんにん、、、いやよにんできれいにさいたおはなばたけをみにきたんだ!
あとすこしでいもうとがうまれてくるから、ぼくがおにいちゃんになるんだ!とてもたのしみ!
大きな木の下に移動…
尚人「わあ〜〜〜!!すごくおおきな木〜!!」
尚人の父「よし、ここで弁当を食べようか」
尚人の母「そうね。尚人〜!お弁当食べるわよ〜!」
尚人「わ〜い!!」
お弁当を食べ始める
尚人「いただきま〜〜す!」
尚人の父、母「いただきます」
尚人「あむ、、、モグモグ」
尚人「おいしい〜!!」
尚人の父「そうか、それはよかったよ」
尚人の父「練習したかいがあったもんだな」
尚人の母「初めて作ったときは、地獄のような有様だったものね〜笑」
尚人の父「う、それは仕方がなかっただろ?初めてだったし、、、」
尚人の父「料理とかしてなかったからだし、、、ま、それはいいとして」
尚人の父「尚人」
尚人「んむ?」
尚人の父「口の中飲み込んでから笑」
尚人「モグモグモグモグ」
尚人「ゴックン」
尚人「なに?」
尚人の頭を撫でる
尚人の父「これから妹が生まれてきて、大変なこともあるし、尚人に構えなくなるときが多くなる」
尚人の父「我慢しないといけないことも多くなる」
尚人「・・・」
寂しい顔になる
尚人の父「大丈夫、尚人ならきっと大丈夫だから」
尚人の父「それと、パパとママからの約束」
尚人「やくそく?」
尚人の父「誰よりも優しくて、強くて、この大きな木のように立派に成長して、なりたい自分になりなさい」
尚人「なりたいじぶん?」
尚人の父「そう、自分が尊敬してる人や憧れてるものになりたいってこと」
尚人「じゃあ!ぱぱやままのようなつよくて、やさしいひとになる!」
尚人の父「そっか…」
尚人の母「ふふ、嬉しいこと言ってくれたわね〜」
尚人の母「お父さん泣いちゃってるし、」
尚人の母「涙腺脆いわね〜笑」
尚人の父「な、泣いてないよ!ポロポロ」
尚人の母「はいはい、ほらハンカチ」
尚人の父「ああ、ありがとう」
ハンカチで涙を拭く
尚人の父「ごめんな尚人、感動しちゃったよ父さん」
尚人の父「よし、はい尚人」
小指を立てる
尚人「うん!」
指切りげんまんする
尚人、尚人の父「指切りげんまん嘘ついたらはりせんぼんの〜〜ます、指切った!」
三人とも笑い合う
これまでが、幸せだった時の記憶
そう・・・『これまでが』
この幸せだったものは、ある日に全てを壊され、絶望に墜とし入れた。
――――――――――――――――――――――
ピーポーピーポーピーポー
一般人「おい!早くこっちに来てくれ!」
救助隊「くそ!意識が戻らない!!AEDを持ってきてくれ!!」
消防隊「被害が広がる前に消火しろ!!」
尚人「ぱぱ?、、、まま?、、、」
最悪の事態
事故に遭ったんだ
深い理由もないただの事故
帰りに車同士のぶつかりで車が引火し、今に至る
不幸中の幸いに自分だけが軽傷で済んだ
だが、父や母、赤ちゃんの意識が不明だ
父や母のいつもの笑顔や綺麗な瞳の光が全く輝いてなかった
『どうして?』『なんでこんなことに?』
そう思うことしかできなかった
そして数時間後、、、大好きだった父や母、そして生まれてくるはずだった妹が亡くなった
その後葬式へ行き、多くの人に囲まれ、火葬された
家族を失った僕は、引き取られることになったが、育児や家庭の事情による為などの言い訳で誰も引き取ってくれなかった
その結果、施設に送られた
送られた施設は劣悪な環境だったため、普段からいじめにもあってきた
最初は殴られたりして痛かったはずなのに、家族を失い、どうでもよくなったせいか、何も感じなくなった
でも唯一、自分の心の拠り所があった
それは『ゲーム』だ
ゲームは面白い、自由、可能性の広がる一つの世界だ
それから僕は勉強し、劣悪な施設を抜けて、都会へ一人暮らしした、、、そこからが問題だったが、無問題だ
これは自称みたいな感じになるが、僕は『天才』だ
名門の高校や大学に入り、収入も就職やゲーム大会などで得て、家賃を払い生活を維持できている
裕福であるだろうが、僕はそう思わない
家族を失い、いじめを受け、孤独だった者だ
そんな奴が幸せでいれるはずがない、それは自分が一番理解していることだ
でも、勝手に死ぬことは許してくれないだろう
だから、生きる、三人の分まで
復讐もない、ただ生きるだけだ
それが、、、今できる自分のことだから
プロローグ、主人公の過去の話
そして、本編へと進む…
第一話「転生へ…」