表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

2、式神ガチャ

 和人の通う学園は陰陽師のいない一般の高校だ。そもそも和人は公務員である陰陽師の資格も持っていない。母の仕事の手伝いをこっそりやっているのに過ぎない。


 母である清美が放逐(ほうちく)されたのが三年前。悪女に騙された父親が離婚の上、清美を無一文で放り出した。悪女は父親の後妻に入り、実家で権力を振るっている。田所美紀も父親からの刺客だろう。和人はそう思う。あの悪女のやりそうなことだ。優しかった父も別人のように豹変しているという。


 和人は屋上で動画配信サイトを確認していた。モンスターや妖怪の目撃情報は増えている。魔王なる怪人が陰陽師協会を倒そうとしている、とも。


 と、そこへ女子生徒がやってきた。(やま)田奈(だな)()。眼鏡をかけた人懐っこい美少女である。和人の幼馴染でもある。


「和人ォ、妖怪さん、ママも見たって」


「ほう、どんな妖怪だ?」


「ん、仮面をかぶってね。鎌を持った死神みたいな……」


 奈緒は笑顔で語る。和人の眉がぴくりと動いた。


「馬鹿野郎。それ、S級モンスターだよ」


 和人は飛びあがるように立ち上がった。そして急いで扉の方に向かう。残された奈緒はニコニコ陰湿な笑みを浮かべていた。


「……馬鹿はアンタよ。転生陰陽師。今度こそ殺してあげるからねぇ」


 そう言って、奈緒は高笑いを上げるのだった。







 和人はチートスキルの持ち主だ。和人は札を取り出すと、美女を顕現させた。『式神ガチャ』で手に入れた式神である(えんの)小角(おづの)(しゃく)(じょう)を持った美女はぷかぷかと浮かぶ死神に飛んでいく。死神が鎌で防ぐ。


 ここは奈緒の自宅の前だ。死神の目線の先には美少女がいる。高校二年生の黒崎(くろさき)(あんず)、テレビドラマなどに出演する有名女優で現役アイドルでもある。杏は震えるばかりで縋るような目で和人を見ていた。


 ドゴォ。死神が殴られて吹っ飛ぶ。美女が勝ち誇ったように笑みを見せた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ